目次
【プロローグ】
それは、同じ夢を何度も見るようになった頃の話だ。
最初は気に留めなかった。日中のストレスが原因だろうと思っていたからだ。
しかし、夢の中で私はいつも、どこか知らない部屋に閉じ込められていた。窓も扉もない、ただ四方をコンクリートの壁に囲まれた薄暗い部屋だ。
「ここから出たい…」
そう願っても、声は出ず、足も動かない。目が覚めると全身が汗で濡れている。それが毎晩続き、次第に夢を見るのが怖くなっていった。
【夢の中の異変】
夢は少しずつ変化していった。
最初はただ閉じ込められるだけだったが、ある夜からその部屋の隅に"何か"が現れるようになった。
最初はぼんやりとした影のようだったが、次第に人影の形を取り始めた。それは背の高い男のように見えたが、顔ははっきりせず、ただじっとこちらを見つめていた。
「…誰?」
問いかけても返事はない。ただ、近づいてくるその影を見ているだけで、心臓が凍るような恐怖を感じた。
【夢と現実の交錯】
現実の生活にも異変が現れ始めた。
朝起きると、夢で感じた息苦しさがまだ残っている。鏡を見ると、首筋に小さな赤い跡がついていることがあった。まるで誰かに掴まれたような痕だ。
「ただの寝違えだよな…?」
自分にそう言い聞かせるが、不安は拭えない。
さらに奇妙だったのは、夢の中で部屋の壁に刻まれている奇妙な文字だった。
「ここはあなたの終わり。」
目が覚めた後も、その文字の残像が頭から離れなかった。
【夢に閉じ込められる】
ある夜、いつものようにその夢を見ていると、急に部屋全体が揺れ始めた。壁にひびが入り、部屋が崩れ落ちそうになる。
「やっと出られる…!」
そう思った瞬間、壁のひびから無数の手が伸びてきた。冷たい感触が私の腕や足を掴み、部屋の中へ引きずり込もうとする。
「助けて…誰か…!」
必死にもがくが、体がどんどん動かなくなる。その瞬間、私は目を覚ました――と思った。
しかし、目を開けると、まだあのコンクリートの部屋にいた。
【終わらない夢】
それ以来、私は夢の中に閉じ込められたまま現実に戻れなくなった。
同じ部屋、同じ影、同じ恐怖の繰り返し。現実の生活はどうなっているのか分からない。誰も私を起こしてくれない。
「これが終わるのは、いつなんだ…?」
部屋の隅で怯えながら、私は終わらない夢の中で時間を過ごしている。
【エピローグ】
もし、あなたが夜中に夢の中でどこかに閉じ込められる感覚を覚えたら、目を覚ました後も周囲をよく確認してください。それが"現実"とは限らないのですから――。
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