怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

絵本の中に誘われた夜 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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本屋での不思議な出会い

それは、週末の穏やかな午後のことだった。

3歳の息子と一緒に近所の本屋に行った私は、絵本のコーナーで不思議な一冊を見つけた。表紙には、風変わりな森の中を動物たちが楽しそうに歩く様子が描かれていた。

「森のナイショ話」というタイトルだった。

息子はその絵本をじっと見つめ、「これ、欲しい」とせがんだ。私もその表紙の絵に惹かれるものを感じ、その本を購入することにした。

家に帰ると、夕食の後に親子でその絵本を開いた。絵本の中には、愛らしい動物たちが不思議な森を探検する物語が描かれていた。どこか懐かしいような、しかしどこか不安を感じさせる絵だった。

絵本を読んだ夜の夢

息子を寝かしつけ、自分も布団に入った夜、私は不思議な夢を見た。

気がつくと、私は子供の頃の自分に戻っていて、森の中を歩いていた。まわりには絵本で見た動物たちがいて、彼らが楽しそうに歌いながら私を誘う。

「こっちだよ、一緒に遊ぼう!」

夢の中の私は幼児の姿で、その声に無邪気に応じて動物たちについて行った。森の中は奇妙に鮮やかで、空気はどこかひんやりしている。

しかし、動物たちが進むにつれ、森の雰囲気が変わり始めた。木々の影が深くなり、動物たちの目がどこかぎらぎらと光り出した。

「もっと奥に来て、一緒にいようよ。」

その声がだんだんと耳に響くようになり、私は怖くなって引き返そうとした。けれど、足が動かない。

夜中に目を覚ます

ふと目が覚めると、時計の針は夜中の2時を指していた。夢の中の奇妙な出来事に胸が高鳴り、冷や汗が背中を伝う。

寝室は静まり返っていた。しかし、妙な違和感を覚えた私は、隣で寝ているはずの息子を確認した。

「……いない?」

慌てて部屋の外に出ると、リビングの明かりがついている。

そこにいたのは、息子だった。彼は絵本を膝に広げ、にっこり笑いながら絵本を読んでいる。

「どうしたの、こんな時間に?」

私は息子に声をかけたが、返事はない。息子の目は絵本に釘付けで、まるで絵本の中に引き込まれているようだった。

絵本の異変

恐る恐る絵本を覗き込むと、ページに描かれた絵がわずかに動いているように見えた。動物たちがこちらを見上げ、にやりと笑ったような気がした。

ページをめくると、夢で見た森の景色が広がっていた。そして、そこには夢の中の幼い自分が描かれている――いや、動いているのだ。

夢の中で私が逃げ出そうとしたシーンそのままが、ページの中に再現されていた。

絵本の行方

息子を強引に絵本から引き離し、布団に戻した。翌朝になっても絵本のことが気になり、再び確認したが、ページの中の絵は普通のままだった。

「あの夜の出来事は何だったんだろう……。」

気味が悪くなった私は、その絵本を本棚の奥深くにしまい込んだ。それ以来、あの絵本を開くことはなかったが、息子が成長してからも「森の動物たちと遊んだ夢を見た」と言うことがある。

そのたびに、あの夜の不気味な光景を思い出し、胸がざわつくのだ。



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