目次
病気の発覚
私が病気に気づいたのは、仕事が忙しく体調を崩したときだった。
最初はただの疲労だと思っていた。しかし、朝起きると体が鉛のように重く、歩くのも辛い日が続いた。会社を早退し、念のため病院で診てもらうと、医師から信じられない言葉が返ってきた。
「進行性の難病です。すぐに治療を始めましょう。」
一瞬、頭が真っ白になった。病名を聞いてもピンとこなかったが、その言葉の響きが恐ろしかった。
入院生活と奇妙な出来事
病院での治療が始まり、私は入院することになった。入院生活は単調で、時間が過ぎるのが遅い。しかし、それ以上に気になることがあった。
夜中、部屋の隅に黒い影が見えるのだ。
最初は疲れや病気の影響で目の錯覚だと思った。しかし、毎晩決まった時間になると、その影はじっと私を見つめているようだった。
怖くてナースコールを押し、看護師にそのことを話したが、「疲れているんですよ」と軽くあしらわれた。
他の患者の証言
ある日、同じ病室にいる別の患者がポツリとつぶやいた。
「この部屋、よくない噂があるんだよ。」
気になって詳しく話を聞くと、この病室に入院した患者はなぜか急激に症状が悪化することが多いというのだ。
「……もしかして、あの黒い影のせい?」
自分の症状も少しずつ悪化していることを感じていた私は、不安で眠れなくなった。
影との対峙
ある夜、いつものように黒い影が現れた。しかし、その日は違っていた。
影が、はっきりとこちらに近づいてきたのだ。体が動かない私の耳元で、低い声が響いた。
「お前はもう手遅れだ……。」
恐怖で叫ぼうとしたが声が出ない。影が私に覆いかぶさろうとした瞬間、病室の明かりが点き、看護師が駆け込んできた。
「どうしました?何か悪い夢でも見ましたか?」
その言葉に、私はただ震えることしかできなかった。
不思議な回復
その出来事を境に、影は現れなくなった。そして、不思議なことに、私の体調が少しずつ回復していった。
医師からも「奇跡的な改善ですね」と驚かれた。しかし、私はあの影が一体何だったのか、いまだに理解できない。
病院の外での再会
退院後、久しぶりに街を歩いていると、ふと視界の隅にあの黒い影が映った気がした。振り返ると、そこには何もない。
しかし、あの影が私を見つめている感覚だけは、はっきりと残っていた――。
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