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お正月に届いた「奇妙な招待状」 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

私は天涯孤独の身だ。

家族も親戚もいないし、友人を作る気もない。

それでも寂しいとは思わない。一人で静かに暮らすことが私にとっての幸せだった。

お正月も例外ではない。自宅で映画を観たり、本を読んだり、近所を散歩するだけの穏やかな時間――それが理想的なお正月の過ごし方だった。

しかし、今年の正月は少し違っていた。

第一章:不思議な招待状

元旦の朝、私は玄関に一通の封筒が置かれているのに気づいた。

差出人は不明で、宛名も「あなたへ」とだけ書かれている。

「間違いかな?」

そう思いながら中を開けると、中にはシンプルなカードが入っていた。

「元日の夜、○○公園にてお待ちしています。」

差出人の名前も目的も何も書かれていない。ただ、その文字が妙に丁寧で、どこか古風な雰囲気を漂わせていた。

第二章:迷いと興味

一人で過ごすつもりだったお正月に、突然届いた謎の招待状。

最初は無視しようと思ったが、妙に気になって仕方がなかった。

「誰がこんなものを? 何のために?」

その疑問が頭から離れず、結局その夜、私は○○公園に向かうことにした。

第三章:静まり返る公園

夜の公園は人気がなく、月明かりだけが頼りだった。

「誰もいないじゃないか……。」

そう思いながら歩いていると、ふと視界の端に光が見えた。

光に近づくと、それは小さな石造りのテーブルで、その上に一冊の本が置かれていた。

本の表紙には、見覚えのある名前が書かれていた――私の名前だ。

第四章:本に書かれた内容

恐る恐る本を開くと、中には私の人生が綴られていた。

幼い頃の記憶、学校での出来事、一人で過ごした数々の正月。

それはまるで、私自身が書き記したかのように正確だった。

「どうして……?」

ページをめくるたびに、心臓が高鳴った。

そして最後のページには、こんな一文が記されていた。

「次のページには、あなたがこの先に選ぶ道が記されます。」

第五章:選択の先

本を閉じようとしたその瞬間、風が吹き抜け、本がぱたりと開いた。

そこには、二つの選択肢が書かれていた。

「一人で生き続ける道。」
「新しい縁に手を伸ばす道。」

どちらを選ぶべきか迷ったが、次の瞬間、テーブルの周りから人の声が聞こえてきた。

声の主は見えない。しかし、その声は温かく、どこか懐かしい響きを持っていた。

「どちらを選んでも、あなたの人生に意味がある。」

第六章:戻る日常

気づくと私は自宅のベッドに横たわっていた。

「夢だったのか……?」

しかし、枕元にはあの本が置かれていた。

それ以来、私は少しだけ生活を変えた。近所の人に挨拶をしたり、連絡を取っていなかった知人に連絡をしてみたり――孤独を愛しながらも、少しずつ世界との繋がりを感じるようになった。

あの招待状は誰が送ったものだったのか、そしてあの本は何だったのか。

それは今でも分からない。だが、そのお正月の体験が、私の人生に新しい風を吹き込んだことは間違いない。



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