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お正月に届いた「知らない年賀状」 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

お正月は家族や友人と過ごすのが一般的だが、私は今年、初めて一人で過ごすことになった。

誰もいない静かな部屋で、正月の独特な空気を感じながら迎えた年明け。だが、その静けさの中で起きた出来事が、私を恐怖に陥れることになるとは思わなかった――。

第一章:一人だけの正月

その年、仕事の都合で帰省できなかった私は、都会のアパートで一人正月を迎えた。

元旦の朝、テレビで流れるおせち料理や初詣の映像をぼんやり眺めながら、何とも言えない孤独を感じていた。

ふとポストを確認すると、数枚の年賀状が届いていた。会社の同僚や知人からの挨拶状だ。

その中に、一枚だけ見覚えのない差出人からの年賀状が混ざっていた。

第二章:奇妙な年賀状

その年賀状は、和紙のような質感で、筆で丁寧に書かれた文字が並んでいた。

「あけましておめでとうございます。今年もお世話になります。」

シンプルな内容だったが、差出人の名前には見覚えがなかった。

「誰だろう……?」

裏面には、昔ながらの家屋と庭の絵が描かれていた。それはどこか懐かしいようで、しかし不気味な印象もあった。

「間違いかな……?」

そう思って深く考えず、テーブルの端に置いた。

第三章:訪れる違和感

その日の夜、テレビを見ながらお餅を食べていると、突然玄関のチャイムが鳴った。

「こんな時間に誰だろう?」

不審に思いながらドアスコープを覗いたが、そこには誰もいなかった。

気味が悪くなりながらも再びリビングに戻ると、さっきの年賀状がテーブルの中央に移動していた。

「……え?」

確かに端に置いたはずなのに、何故か目の前にある。

第四章:増える年賀状

翌日、ポストを確認すると、また同じデザインの年賀状が一枚届いていた。

差出人は前日と同じ名前。しかし、内容が変わっていた。

「お元気ですか。早くお会いしたいです。」

背筋が寒くなり、私はその年賀状をすぐにゴミ箱に捨てた。

だが、その日の夜、捨てたはずの年賀状がまたテーブルの上に置かれていた。

第五章:繰り返される恐怖

それ以降、毎日同じ年賀状が届くようになった。

内容は少しずつ変わり、だんだんと私の生活に関わることが書かれるようになった。

「昨日はよく眠れましたか。」
「お餅、おいしそうでしたね。」

誰かに見られている――そう確信した私は、警察に相談することを決意した。

第六章:年賀状の謎

警察に相談し、年賀状を調べてもらったが、差出人の名前も住所も存在しないことが判明した。

さらに奇妙だったのは、ポストに投函された形跡がなく、どうやって年賀状が届いたのかが全く分からなかったことだ。

結末

その後、年賀状はぱたりと届かなくなった。しかし、今年もまた一人で正月を迎えた私は、少し不安を感じている。

新しい年賀状が届くたびに、あの奇妙な年賀状が再び現れるのではないかと――。

もしもあなたが、見知らぬ差出人から年賀状を受け取ったとき、それは単なる間違いかどうか、よく考えた方がいいかもしれない。



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