目次
プロローグ
私は天涯孤独だ。
家族も親戚もいない。友人を作る気もなく、むしろ一人の時間が何よりの贅沢だと思っている。
自宅で静かに本を読んだり、映画を観たり、たまに近所の図書館へ足を運ぶ質素な生活が、私にとっての理想の暮らしだった――あの日までは。
第一章:図書館で見つけた本
その日、いつものように図書館を訪れた私は、趣味の一環として歴史書の棚を漁っていた。
ふと目に留まったのは、棚の奥に押し込まれていた古びた一冊の本だった。
タイトルは『あなたの人生を語る者』。装丁はくすんだ革張りで、明らかに他の本とは異なる雰囲気を放っていた。
興味を引かれた私はその本を手に取り、貸出カウンターに向かった。
「珍しい本ですね。」
司書の女性が微笑みながらそう言ったが、特に深くは考えなかった。
第二章:本が語る「私のこと」
帰宅後、本を開くと、その内容に驚かされた。
最初のページには、見覚えのある風景が描かれていた。それは私の住む町の公園だった。
さらにページをめくると、私が子供の頃に通っていた小学校や、初めて一人旅をした場所のイラストが続いていた。
「これ……私のことだ。」
ページを進めるごとに、まるで私の人生そのものが記録されているかのような内容が描かれていた。
第三章:次の日の出来事
翌日、本の続きを読んでみると、驚くべきことに、そこには「今日」の出来事が書かれていた。
「図書館で本を見つけた主人公は、その本を持ち帰り、驚きながらページをめくる。」
完全に私の行動と一致している。
「偶然じゃない……よな。」
しかし、本がどのようにして私のことを知っているのか、その答えはどこにもなかった。
第四章:本の「最後のページ」
さらに奇妙だったのは、最後のページが白紙だったことだ。
「ここには何が書かれるんだろう……?」
考えれば考えるほど不安が募った。
第五章:消えた本
その夜、夢の中であの本が現れた。
ページがめくれる音が聞こえ、次第に内容が私の未来に移り変わっていく。
「本は語る。次に起こることを――。」
目覚めると、あの本がどこにも見当たらなかった。
自分で持ち出したはずなのに、机の上にも、本棚にも、部屋のどこにも見つからない。
第六章:私の「語り部」
それ以来、私は本のことを忘れることができない。
もしかすると、あの本は私自身の記憶を映し出していたのかもしれないし、未来を予告していたのかもしれない。
孤独を愛していた私に、「誰か」が語りかけるために現れたのだろうか――。
結末
その後も、静かな日々は続いている。
しかし、時々ふとした瞬間に、あの本が現れるのではないかという期待と不安が心に浮かぶ。
もし再びその本に出会えたら、次のページには何が書かれているのだろうか――それを知る勇気が、今の私にはまだない。
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