目次
楽しいはずの登山計画
これは私が体験した、今でも忘れられない出来事です。
大学時代の友人たちと登山に出かけたのは、秋の紅葉が見頃を迎える頃でした。総勢7人。メンバーは、私、友人のケンタ、リサ、マサト、エミ、アキ、そしてリーダー格のヒロでした。
皆で計画を立て、登山ルートを調べて、軽いキャンプを楽しむつもりで、朝から山へ向かいました。天気は快晴。登山道も紅葉で彩られていて、まさに絶好の登山日和でした。
休憩中の違和感
山道を登り始めて1時間半ほど経った頃、私たちはちょうど広場のような場所で休憩を取ることにしました。ここで水を飲んだり、軽くお菓子をつまんだりしていたのですが、ふと気づいたことがありました。
「……あれ、なんか人数多くない?」
私がそう口にすると、みんな一瞬ポカンとした顔をしました。
「何言ってんだよ。7人だろ?」とケンタが笑いながら答えます。
でも、広場にいる人をもう一度数えると、8人 いるんです。
「いや、でも、ちゃんと数えてみてよ」
そう言って私は指を指しながら人数を数えました。ヒロ、リサ、ケンタ、マサト、エミ、アキ……そして、私。これで7人のはずなのに、もう一人、どう見ても見知らぬ人が混じっていました。
混ざる見知らぬ人影
その人は、私たちと同じようにリュックを背負い、登山服を着ていました。でも、誰もそいつの名前を口にせず、まるでずっと一緒にいたかのように振る舞っているんです。
「なんだろう、他のグループと間違えたのかな……」
そう思おうとしましたが、気持ち悪さは拭えませんでした。休憩が終わり、再び歩き始めた私たちは、次第にこの"ズレ"のことを気にしなくなっていきました。いや、気にしないようにしたと言うべきでしょう。
頂上での集合写真
そして、ついに山頂に到着しました。景色は素晴らしく、私たちは全員で記念写真を撮ることにしました。ヒロが三脚を立ててタイマーをセットし、みんなで肩を組んで笑顔を作りました。
その場では何も気づきませんでした。
下山後、近くのカフェでお茶をしながら写真を確認した時、私は背筋が凍りました。
写真の中には、確かに8人 の姿が写っていたのです。
徐々に迫る恐怖
「おい、これってどういうことだよ!」とヒロが声を上げました。
写真の中には、私たち7人に加えて、1人の見知らぬ人物が映っていました。その顔はぼんやりとしていて、はっきりとした輪郭がありません。それなのに、その人物が誰よりも自然に私たちの中に溶け込んでいたのです。
「これ……いつからいる?」
誰かがそう呟くと、全員が言葉を失いました。下山中、誰もその"8人目"に触れないまま、黙々と歩き続けました。
消えた"8人目"
翌日、ヒロがグループチャットで写真を送りながら「昨日の件、マジでヤバいと思う」と連絡してきました。
ところが、その写真を再確認してみると、8人目の姿が完全に消えていたのです。
「もしかして、俺たちの勘違いだったのか?」
誰かがそう言いましたが、全員の中に言い知れぬ不安が残りました。写真の中に写っていた見知らぬ人物のことを、はっきりと覚えているのですから。
「人数が増える怪異:あなたも気づいていないだけかも」
それ以来、私は人数を数えることが怖くなりました。たとえば、会社の飲み会や友人との集まりで、「あれ?何かおかしいな……」と感じると、あの日のことを思い出してしまいます。
もしかしたら、あなたの周りにも気づかないだけで、誰かが紛れ込んでいるかもしれません。
もし、次に写真を撮る機会があったら、どうかよく確認してください。本当にそこにいるのが全員知っている人なのかどうかを。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

