目次
プロローグ
数字は確かなものだと思っていた。特に、人の人数を数えるなんて、誰にでもできる簡単なことだ。
しかし、その「確か」だと思っていたものが、ある日から崩れ始めた――。
第一章:山小屋での集まり
大学時代の友人5人と計画した登山旅行。
久しぶりに集まる仲間たちとの再会に心が弾んだ。私たちは計6人のグループで山小屋を借り、一晩を過ごすことにしていた。
「やっぱりこういう集まりっていいよな!」
「学生時代に戻ったみたいだ。」
ビール片手に盛り上がり、懐かしい話に花が咲いた。
夜も更け、山小屋のリビングでみんなで集合写真を撮ろうという話になった。
「全員揃ってるよな?」
カメラのタイマーをセットして、全員で並んで撮った写真を確認すると、7人が笑顔で写っていた――確かに「7人」だった。
第二章:翌朝の違和感
翌朝、ふと人数を数えると、何かがおかしいことに気づいた。
「俺たち……6人だったよな?」
しかし、朝食を食べるテーブルには7人分の席がセットされていた。
「誰かが気を利かせて多めにセットしたんだろう。」
みんなそう言って笑い飛ばしたが、心の中に妙な違和感が残った。
第三章:人数の確認
その日、山を登る準備をしている時、またもや奇妙なことに気づいた。
登山計画書には「参加者6人」と記載されていたはずなのに、今、山小屋には7人いる。
「どういうことだ……?」
私は友人たちに尋ねた。
「なぁ、俺たち、本当は何人で来た?」
すると、みんな一様に首を傾げた。
「何言ってるんだよ。最初から7人だろ?」
第四章:写真の謎
不安を抱えながら、昨夜撮った集合写真を見返すことにした。
写真には確かに7人が写っている。
しかし、よく見ると、写真の端に写っている一人の顔がぼんやりとしており、誰だか判別できない。
「これ……誰だ?」
友人たちにその写真を見せたが、誰もその人物について答えることができなかった。
第五章:徐々に広がる不安
その後も妙なことが続いた。
夜、再び全員で食事をしていると、会話の中で誰かがポツリとこう言った。
「なぁ、余分な一人って……もしかして俺なんじゃないか?」
その言葉を皮切りに、全員が疑心暗鬼に陥った。
「いや、俺だよ……。」
「私じゃないのか?」
誰が「余分」なのか分からない――だが、確実に7人目の存在は「異質」だった。
第六章:真実への気づき
夜が更け、眠れなくなった私は、自分自身の手帳を見返していた。
そこには、山小屋の予約をした時のメモが書かれていた。
「参加者:6人」
その瞬間、全てが繋がった。
余分なのは、自分だったのだ。
第七章:自分の存在が崩れる
「待て……俺は、誰だ?」
考えれば考えるほど、記憶がぼやけていく。
私はこのグループに本当に属しているのか? それとも、この場所にいるべき存在ではないのか?
友人たちの顔を見ても、彼らとの関係が思い出せなくなっていた。
結末
翌朝、山小屋には6人の友人だけが残っていた。
彼らはまるで、最初から私という存在がいなかったかのように、笑顔で写真を見返していた。
そこに写るのは、確かに6人だけだった。
私は自分の存在が薄れていく感覚を感じながら、ただ静かにその場を後にした――まるで「余分な1人」であることを悟ったかのように。
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