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田舎暮らしの静けさが破られた夜
私は数年前、仕事のストレスから逃れるために都会を離れ、静かな田舎の一軒家に移り住んだ。周囲は畑や山に囲まれていて、近くに隣家はなく、夜は本当に静かだった。
ところが、引っ越して数週間後、奇妙な現象が始まった。
最初にそれを聞いたのは、深夜の2時頃だった。静まり返った夜に突然、 「カンッ!」 という音が響いたのだ。何かが家の外壁にぶつかったような音だった。
驚いて布団から飛び起き、窓を開けて外を見たが、辺りは真っ暗で何も見えない。風の音だけが耳に届く。
「気のせいかな……?」
その日はそう思い直して再び眠りについた。しかし、翌日も、そのまた翌日も、深夜になると 「カンッ!」 という音が聞こえてくる。
正体不明の礫(つぶて)
音が気になりすぎて、ある日、音がする時間に合わせて窓際で待つことにした。そして予想通り、深夜2時、再び 「カンッ!」 という音が響いた。
懐中電灯を片手に家の外に出て、音のする方を調べてみた。すると、家の壁の下に 小さな石ころ が一つ転がっているのを見つけた。
「誰かが投げたのか……?」
しかし、周囲を見回しても人の気配はない。真っ暗な畑が広がるばかりだ。こんな時間に誰かが悪戯するとは考えにくいし、仮に誰かがいるなら、私が出てくれば逃げる音や気配があるはずだ。それすら感じない。
謎の礫は増えていく
その日以降、私は音が聞こえるたびに外に出るようになった。そして気づいた。
毎回、礫の数が増えている のだ。最初は1つだった石が、次の日は2つ、次の週には5つになり、やがて10個以上に増えた。
しかも、石をよく見ると、普通の石ではないことに気づいた。形が異様に歪んでおり、黒く光る表面には、どこか不気味な文様のようなものが刻まれているように見えた。
「こんな石、この辺りで見たことがない……」
ますます不気味さが募る中、私はカメラを設置することにした。正体を突き止めたかったのだ。
カメラに映ったもの
翌朝、早速カメラの映像を確認してみた。しかし、そこに映っていたのは信じられない光景だった。
深夜2時、確かに家の外壁に礫が当たる音がする。だが、石がどこから飛んできたのかが分からない のだ。音がする瞬間にカメラが捉えたのは、まるで空中に石が突然現れ、家の壁にぶつかって落ちる様子だった。
「空中から……現れる?」
何かのいたずらかとも思ったが、どうやってそんなことが可能なのか想像もつかない。
真夜中の“気配”
その夜もまた、礫の音が響いた。しかし、これまでと違ったのは、今度は 人の気配 を感じたことだ。
音がする方を見ると、畑の中に立つ 人影 が見えた。懐中電灯を向けても、そいつの顔は見えない。ただじっとこちらを見つめているようだった。
私は全身が震え、動けなくなった。懐中電灯を持つ手が震える中、その人影はゆっくりと近づいてきた。
怖くなった私は家の中へ駆け込み、ドアを閉めた。しかし、窓越しに外を覗くと、人影はそこにはいなかった。
消えた礫とその後
翌朝、いつものように外へ出てみると、これまで家の周囲に散らばっていた礫がすべて消えていた。
あの音も、それ以降は一切聞こえなくなった。まるで何もなかったかのように静かな日常が戻ったのだ。
ただ一つ、私の家の壁には、無数の小さな傷跡が残っていた。それは、まるで誰かが意図的に付けたかのような奇妙な模様を描いていた。
「暗夜の礫が残した謎:あなたの家にも響くかもしれない音」
礫の音はもう聞こえない。しかし、ふと夜中に物音がすると、あの時のことを思い出してしまう。
この話を読んだあなたも、もし深夜に「カンッ!」という音を聞いたら……それが何かの始まりかもしれない。
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