目次
はじめに
みなさん、こんにちは。私は中学校の教師をしている者です。普段は生徒たちに囲まれて賑やかな毎日を過ごしていますが、今日は私が体験した少し奇妙で不思議な話をお話ししようと思います。
学校という場所は、昼間は生徒たちの声で溢れていますが、夜になるとまったく違う雰囲気に変わります。その変化を初めて感じたのは、私が若いころ、新米教師だった時のことでした。
忘れ物を取りに夜の学校へ
その日は大雨が降っていて、学校を早めに出たのですが、帰宅後に重要な資料を学校に置き忘れたことに気づきました。
「明日の会議で使う資料なのに……!」
時計を見ると、夜の8時半。幸い学校は近所だったため、傘をさして取りに戻ることにしました。
学校に着いたのは9時前。静まり返った校舎は、昼間とはまるで別物で、見慣れた廊下も薄暗い蛍光灯の光のせいでどこか不気味に見えました。
誰もいないはずの教室
私の机は職員室にありましたが、資料を置き忘れたのは2階の3年生の教室でした。
教室に向かう途中、廊下を歩いていると妙な音が聞こえてきました。
「カタ……カタ……。」
最初は雨音だと思いましたが、それにしては音の方向が特定できるのです。音の出どころを探しながら進むと、3年2組の教室のドアが微妙に開いていました。
「閉め忘れたのかな?」
そう思いながら中を覗くと、教室の中は誰もいない。しかし、窓際の席にだけ、一冊のノートが開かれたまま置かれていました。
ノートに残された文字
不思議に思いながら、そのノートに近づいてみると、鉛筆で何かが書かれていました。
「ここにいるよ」
突然、背筋がゾクッとしました。誰かのいたずらか、それとも生徒が忘れていったものだろうか。
資料を取りに来ただけなのだから、関わらない方がいいと思い、教室を出ようとしたその時――後ろからまた音がしました。
「カタ……カタ……。」
振り返ると、ノートのページが風もないのに一枚めくれていました。
窓の外の“誰か”
気味が悪くなり、早く職員室に戻ろうと足早に廊下を歩きました。すると、職員室に向かう途中で、窓の外に“誰か”の気配を感じました。
暗闇に目を凝らしてみると、校庭の端に制服を着た生徒のような姿がぼんやりと立っていました。
「こんな時間に生徒がいるなんて……。」
思わず声をかけようと窓を開けた瞬間、姿がスッと消えたのです。まるで霧のように。
資料を手にするも…
怖くなりながらも、なんとか職員室に到着し、忘れていた資料を見つけました。
「さっさと帰ろう。」
そう思い、職員室の電気を消して階段を降りようとしたとき、2階からまた「カタ……カタ……」という音が響いてきました。
それでも振り返る勇気はなく、一気に階段を駆け下り、玄関の鍵を閉めて学校を後にしました。
翌日、不思議な報告
次の日、私は昨日の出来事が気になり、3年2組の担任に話をしてみました。すると、彼はこう言ったのです。
「そういえば、この間、生徒たちが言ってたんですよ。放課後、教室に忘れ物を取りに行ったら、窓際の席に誰もいないはずなのに誰かが座ってたって。」
さらに驚いたのは、私がノートを見た席――そこは何年も前に亡くなった生徒が使っていた席だったそうです。その生徒は真面目な性格で、ノートを大事にしていたと言います。
終わりのない気配
あの夜の出来事以来、私はなるべく夜の学校に行かないようにしています。
それでも時折、深夜まで仕事をしていると、2階の廊下からかすかな足音が聞こえてくることがあります。
誰もいないはずの学校で、誰かがノートをめくる音が……。
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