目次
プロローグ
私は、某ゲーム制作会社でプログラマーをしている。
小さな会社だが、独自のアイデアと熱意で、主に家庭用ゲーム機向けの作品を手掛けてきた。
仕事はハードだが、自分の作ったものが形になり、多くの人に楽しんでもらえるのがやりがいだ。
しかし、あの日から私は、ゲーム開発という「ものづくり」が、時に説明のつかない奇妙な現象を引き起こすことを知ることになった――。
第一章:謎のエラーメッセージ
それは新作ゲームの制作が佳境を迎えていたある日のことだった。
私たちのチームは、新しいアクションRPGを開発中だった。プレイヤーが広大なフィールドを探索しながら、様々なギミックを解き明かすゲームだ。
バグ取りの最中、テストプレイを進めていた時、突然画面がブラックアウトし、奇妙なエラーメッセージが表示された。
「Error: 真実を見つけよ」
「……何これ?」
通常、エラーメッセージにはコードや具体的なバグの内容が表示されるはずだ。しかし、このメッセージはあまりにも抽象的で、しかもプログラムのどこにもそんな文言を仕込んだ記憶がない。
第二章:原因不明の不具合
私はチームリーダーや他のプログラマーと話し合い、コードを徹底的に洗い直すことにした。
しかし、どこを探しても「真実を見つけよ」というメッセージに該当する部分は見当たらない。
「誰かふざけて書き込んだんじゃないか?」
「いや、そんな余計なコードを入れる余裕なんてないだろ。」
他のメンバーも首をかしげるばかりだった。
奇妙なのはそれだけではなかった。
エラーメッセージが表示された箇所のデータは、一見正常に見えるのに、実際にテストすると必ず同じ箇所で止まるのだ。
第三章:不自然な音と光
その現象が起きたのは、ゲーム内で「古い神殿」を探索するシーンだった。
プレイヤーキャラクターが神殿の中央にある大きな石板に触れると、画面がブラックアウトし、あのメッセージが表示される。
さらに、バグが発生した際、スピーカーから不気味なノイズ音が聞こえることが分かった。
「ジィィ……ギギ……。」
そしてよく見ると、ブラックアウトした画面に、一瞬だけ何かが映り込むことがあった。
それは、手書きのような文字や、無機質な模様のように見えたが、はっきりとは分からない。
第四章:外部の協力者
原因が特定できず、私たちは外部のデバッグ専門の会社に協力を依頼することにした。
その中で、ベテランのデバッガーが興味深いことを言った。
「このエラー、プログラムのバグじゃなくて、何か別の仕組みが干渉してるかもしれません。」
「別の仕組みって?」
「例えば、昔の技術者が仕込んだ隠し要素とか、意図しないパターンで発生する現象とかです。」
彼の話を聞いて、私はふと気づいた。この神殿のデータは、プロジェクト初期に外部のフリーランスのデザイナーが手掛けたものだった。
第五章:不思議な意図
そのデザイナーに連絡を取ると、彼は驚いた声でこう答えた。
「そのデータ、確かに私が作りました。でも、そんなエラーメッセージを仕込んだ覚えはありません。むしろ、それが出るなんて初めて聞きましたよ。」
彼が送ってきたデザイン案を確認すると、神殿の石板には文字のようなものが刻まれていた。
それはどうやら、古代言語をモチーフにしたデザインだったらしいが、解読はできなかった。
「真実を見つけよ」というメッセージは、そのデザインと関係があるのだろうか?
第六章:ゲームが語る「何か」
その後も調査を続けたが、最終的にエラーメッセージの原因を突き止めることはできなかった。
だが、ある日、私が一人でテストプレイをしている時、ブラックアウトした画面に、はっきりと新しいメッセージが現れた。
「君たちが作るものは、もう現実の一部だ。」
その瞬間、私はぞっとした。
ゲームというのは、確かに人間が作る「虚構」だ。しかし、このエラーが示唆するのは、私たちが作ったものが現実と何らかの形で繋がっているという可能性だった。
結末
そのゲームは無事に完成し、発売された。
プレイヤーからの評価も上々で、あのエラーメッセージが発生することもなくなった。
しかし、私は今でもあのメッセージが何を意味していたのか考えている。
「真実を見つけよ」――もしかすると、ゲームという虚構の中に潜む「何か」が、私たちに語りかけていたのかもしれない。
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