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ウルトラバイオレットで暴かれる真実 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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紫外線(ウルトラバイオレット)という言葉を聞くと、普通は日焼け止めや紫外線対策のことを思い浮かべるだろう。でも、紫外線の中には、目に見えない真実を照らし出す力があるのかもしれない。そんな恐ろしい体験をしたのは、つい最近のことだ。

始まりは中古の懐中電灯

ある日、仕事帰りにふと立ち寄った中古ショップで、少し変わった懐中電灯を見つけた。「ウルトラバイオレットLEDライト」と書かれている。値段も安かったし、紫外線で何かが見えるなんて面白そうだと、軽い気持ちで購入した。

家に帰ると、早速そのライトを使って遊び始めた。普段は見えない汚れが浮かび上がるのが楽しくて、キッチンやリビング、カーペットの上など、家中を照らして回った。

奇妙な発見

そんな中、自分の寝室でふと不思議なものを見つけた。壁の一部が他の場所とは違って、不自然に紫外線に反応しているのだ。暗闇の中でその部分だけがぼんやり光っている。最初はカビか何かかと思ったが、近づいてよく見ると、それは光る手形だった。

壁に人間の手形がくっきりと浮かび上がっている。誰の手形だ?家には私一人しかいないし、壁に触った覚えもない。それに、この手形のサイズはどう見ても大人の手ではなかった。まるで、小さな子どもの手だ。

広がる痕跡

背筋に寒気を覚えつつ、さらにライトを照らして調べてみた。すると、手形は一つだけではなかった。壁から天井へ、そして床へと、まるで家中を這い回るように無数の手形が広がっている。

どこから始まっているのかを追いかけるうち、手形は寝室のクローゼットの扉へと続いていることに気づいた。怖くなったが、意を決してクローゼットを開けてみた。

クローゼットの中の異常

中には何もない――はずだった。しかし、紫外線ライトを当てると、クローゼットの中はまるで別世界だった。壁一面に何か文字のようなものが書かれている。それは不気味な曲線や記号のような形をしていて、私には全く読めなかった。

ただ、一つだけはっきり読める言葉があった。「ここにいる」という日本語の文字だ。

その瞬間、背後から何か冷たいものが首筋を触れた気がした。慌てて振り返ったが、そこには誰もいない。ただ、ライトを持つ手が震えていた。

次の日の出来事

恐怖のあまりその夜はほとんど眠れなかった。そして次の日、会社で同僚にこの話をしたが、誰も信じてくれない。「疲れてるんじゃない?」と笑われただけだった。

家に帰るのが怖かったが、仕方なく帰宅した。そして再び、ウルトラバイオレットライトで家中を調べてみた。

すると、今度はリビングのソファに手形が増えていた。しかも、それらは私の寝室からリビングまで続いている。まるで「何か」が私を追いかけているように。

ライトの恐怖

とうとう耐えられなくなり、そのライトを処分することに決めた。次の朝、ライトをゴミ袋に詰めて捨てに行った。しかし、その夜、再び手形が家中に浮かび上がっていた。手形がない場所がないほどだ。

捨てたはずのライトが玄関に戻ってきていたのだ。

私はもう限界だった。家を引っ越そうと思い、不動産会社に連絡をした。その際、ふと「この家で何かあったのですか?」と聞いてみた。

不動産会社の担当者は一瞬言葉に詰まった後、小声でこう答えた。

「実は…この家では10年前、小さな女の子が事故で亡くなっています。その後に入居された方も、みな数か月で退去されていまして…」

結末

結局、私は数日後に引っ越しをした。新しい家に移ると、手形も、ライトも、全てが消えた。

それ以来、ウルトラバイオレットライトを見ると、あの時の光る手形が頭をよぎる。見えないものが見えるというのは、必ずしも良いことばかりではないのだ。



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