目次
【プロローグ】
それは何気なく始まった出来事だった。
私はホラー好きで、ネットで怖い話を読むのが日課だった。特に、ユーザーが投稿する「怖話」系のサイトがお気に入りだった。仕事が終わった後、寝る前にベッドでスマホを片手に閲覧するのが至福のひとときだった。
ある夜、いつものように「怖話」サイトを開いた時、画面が一瞬チラついた。それから、見たことのないエラーメッセージが表示された。
「ERROR: この先は自己責任です。」
その時は単なるサイトの不具合だと思い、気にせず再読み込みをしてページを進めた。しかし、このエラーメッセージが私の生活を一変させることになるとは、この時は思いもしなかった。
【謎のエラーメッセージ】
その夜、エラーメッセージが表示された後、私はいつも通り怖い話を読み進めた。しかし、途中から妙な違和感を覚えた。
投稿されている怖い話が、どれも「実際に体験した話」ばかりだったのだ。もちろん、そういった形式の投稿は珍しくない。だが、その内容がどこか「現実にありそう」な話ばかりで、どれも妙に生々しかった。
さらに、投稿の最後には必ずこう書かれていた。
「読んでしまったあなたへ――気をつけて。」
ただの演出だと思い、そのまま読み進めていたが、ページを閉じた直後、スマホが突然フリーズした。そして画面に再びエラーメッセージが表示された。
「ERROR: あなたは見られています。」
【不可解な現象】
翌日、仕事中にスマホを見ていると、再び「怖話」サイトの通知が届いた。
「新しい怖話が追加されました。」
おかしいと思った。私は通知をオンにした覚えはない。だが、気になって昼休みにそのリンクを開いてみた。
そこに投稿されていた話は、まるで私の日常そのものだった。
タイトルは「孤独な会社員」。内容はこうだった。
「彼はいつものように、怖話サイトを読みながら夜を過ごしていた。しかし、その後彼のスマホは不可解なエラーメッセージを表示し始めた。」
昨日私が体験した内容が詳細に記されていた。
そして話の最後には、こう書かれていた。
「読んでしまったあなたへ――気をつけて。」
【徐々に迫る恐怖】
その夜、私は怖話サイトを開くのをやめ、早めに寝ることにした。しかし、ベッドに入った直後、スマホが急に振動した。
見ると、またもや「怖話」サイトの通知が届いていた。
「新しい話が更新されました。」
恐る恐る開いてみると、またしても私の日常そのものが記されていた。
今回のタイトルは「静かな夜」。内容はこうだった。
「彼はいつもと違い、怖話サイトを開かずに寝ようとした。しかし、深夜2時、彼のスマホが震え、再びサイトに誘われることとなる。」
深夜2時――まさにその時刻だった。
【サイトとの対話】
さらに不可解なことに、ページの下部にコメント欄が表示されていた。そしてそこには、こんなメッセージが書き込まれていた。
「これを読んでいるのは君だよね？」
私は思わずスマホを放り投げた。しかし、画面が暗くなることはなく、メッセージがさらに更新されていく。
「どうして読まないの？逃げられないよ。」
怖くなり、サイトを閉じてスマホの電源を落とそうとしたが、画面が操作を受け付けなくなっていた。そして、再びエラーメッセージが表示された。
「ERROR: あなたの物語はこれからです。」
【恐怖の極み】
その後も、サイトは私の日常を完全に記録しているかのように新しい話を更新し続けた。
そしてついに、次のタイトルを見た瞬間、全身が凍りついた。
「背後に注意」
画面にはこう続いていた。
「彼がスマホを見つめている間、背後に何かが立っていることに気づかなかった。」
その瞬間、私は無意識に振り返った。
そこには誰もいない――そう思った矢先、背後で「カタカタ…」という音が聞こえた。振り返ると、暗い部屋の奥で、何かが動いている気配がした。
【エピローグ】
それ以来、私は怖話サイトを開くことをやめた。
だが、スマホの通知は今でも届き続けている。新しい投稿があるたびに、私のスマホに届く通知。
そして、サイトを開いていないはずなのに、いつの間にか投稿が表示されていることがある。
最新の投稿のタイトルはこうだ。
「読者へ――これを読んでいる君も例外ではない」
もしあなたが「怖話」サイトを訪れることがあれば――決してエラーメッセージを無視しないことをお勧めする。なぜなら、それは警告なのだか
ら。
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