目次
【プロローグ】
私はホラー系の雑誌を読むのが好きで、毎月発売される「霊能ジャーナル(仮名)」という雑誌を欠かさず購入していた。
その雑誌の特徴は、読者投稿や霊的な現象に関するリアルな特集記事だ。その中でも一際目を引いたのが、「呪われた日本人形を預かる」という読者参加型の企画だった。
その企画内容はこうだ。
「呪われていると言われる日本人形を一定期間預かり、その体験を投稿してください。」
当然、雑誌の編集部が安全を確認した上での企画だという注意書きがあり、興味本位で応募してみた。
まさか、それがあんな恐ろしい体験につながるとは思いもしなかった。
【届いた日本人形】
数週間後、編集部から一体の日本人形が届いた。
それは黒髪を結い上げ、朱色の着物を着た、いかにも日本人形らしい姿をしていた。ただ、その目がどこか暗い光を宿しているように感じ、少し不気味だった。
「これが呪われた人形…か。」
私は届いた箱に同封されていた注意書きを読んだ。
「この人形は、元の持ち主が不可解な出来事を体験したとして持ち込まれたものです。安全は確認済みですが、何か異変を感じた場合は編集部までご連絡ください。」
雑誌の企画だし、大したことはないだろうと思い、私は人形を部屋の棚に飾った。
【最初の異変】
人形が届いてから数日間は何事もなく過ぎた。
だが、ある夜、寝ていると何かの気配を感じて目が覚めた。
「…何だ?」
部屋は静まり返り、窓から差し込む月明かりがぼんやりと照らしていた。何もおかしいところはないように見えたが、視線を感じた私は棚の方を見た。
すると――人形の目が、こちらをじっと見ているように感じた。
「気のせい…だよな?」
そう自分に言い聞かせ、布団をかぶって無理やり寝た。だが、それ以来、奇妙な出来事が頻発するようになった。
【増える不気味な出来事】
翌日、仕事から帰宅すると、部屋の空気がどこかひんやりしていることに気づいた。エアコンはつけていないはずなのに、妙に冷たい。
さらに、棚の上に置いていたはずの日本人形が少し傾いている。
「…風かな?」
そう思い直して元の位置に戻したが、その夜も再び奇妙な体験をした。
深夜、部屋の隅から「カタ…カタ…」という音が聞こえてきた。
「…何の音だ?」
目を凝らして音の方を見ると、日本人形が微かに揺れているように見えた。
【恐怖の頂点】
その翌日、私は編集部に連絡しようとしたが、何かに見られているような感覚があり、電話をかける手が止まった。
その夜、ついに決定的な出来事が起きた。
寝ていると、耳元で微かな声が聞こえたのだ。
「…返して…」
飛び起きて辺りを見渡したが、誰もいない。しかし、棚の上の日本人形は、なぜかこちらに倒れかかるような姿勢になっていた。
「もう無理だ!」
私は雑誌の編集部に連絡を入れ、状況を説明した。編集部はすぐに動き、雑誌に協力している霊能者を私の家に派遣してくれることになった。
【霊能者の介入】
翌日、霊能者が家にやって来た。その女性は、私の部屋に入るなり深刻な表情を浮かべた。
「…これは、かなり強い執念が込められていますね。」
彼女は日本人形を慎重に手に取り、呪いの原因を探り始めた。そして、こう言った。
「この人形は、元の持ち主に捨てられたことで、強い恨みを抱いています。捨てられた場所で何かあった可能性が高いです。」
【人形の処置】
霊能者は、人形に宿る霊を鎮めるための儀式を行った。
小さな火鉢を使い、お香を焚きながら、何やらお経のような言葉を唱え始めた。その間、人形が微かに揺れているように見えたのは、気のせいではなかったかもしれない。
儀式が終わると、霊能者は深い溜息をついて言った。
「これで大丈夫です。この人形は私が預かり、しかるべき場所に納めます。」
【エピローグ】
その後、奇妙な出来事は一切なくなった。
編集部からは、私の体験談を特集記事として掲載したいという連絡があった。記事には「霊能ジャーナル(仮名)」の読者たちの反響も多く寄せられたが、私は二度とこうした企画に応募するつもりはない。
もしあなたが「呪われた日本人形」に興味を抱いたとしても――その背後に何が潜んでいるのか、十分に考えたほうがいい。
あなたの家にも、何かがやって来るかもしれないのだから。
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