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子供の頃の「奇妙な拾い物」
社会人として忙しい日々を送る中で、ふとした瞬間に小学生の頃の出来事を思い出すことがあります。その中でも特に記憶に残っているのが、一冊の「奇妙な雑誌」との出会いです。
あれは小学4年生の頃、家から少し離れた公園でのことです。友達と遊んだ帰り道、道端に一冊の雑誌が落ちているのを見つけました。雨に濡れていたわけでもなく、表紙はほとんど汚れていませんでした。
雑誌のタイトルは、「フロントライン・オブ・ミラクル」。子供には少し難しい言葉ですが、「ミラクル」という響きに心を引かれ、拾い上げて家に持ち帰りました。
中身は奇妙な「事実」ばかり
家に帰って雑誌を開くと、そこには見たことも聞いたこともない内容がぎっしり詰まっていました。普通の雑誌と同じように、特集記事や体験談、商品紹介などが載っていたのですが、どれも現実離れしていました。
たとえば、こんな記事がありました。
「透明になるシールの開発成功」
特殊な素材で作られたシールを肌に貼ると、一定時間その部分が透明になるというもの。記事には実験中の写真が載っていて、腕が途中から消えているように見えました。
「未来を映す鏡の販売開始」
鏡に向かって名前と誕生日を言うと、未来の自分の姿が映るというもの。価格も具体的に書かれており、「2,980円」という現実味のある金額でした。
「消えた人々の謎」
特定の場所で行方不明になった人々が実は異世界に通じる「ドア」を発見していた、という体験談。消えた人物の詳細な経緯や地図が掲載されていました。
どの記事も、「これは事実である」という体裁で書かれており、写真や図解が載っていました。子供の頃の私は、「こんな不思議なことがあるんだ!」と素直に信じていました。
雑誌を夢中で読み返す日々
学校の帰り道や家での暇な時間、私はその雑誌を何度も読み返しました。ページをめくるたびに胸が高鳴り、「こんな世界が本当にあるなら見てみたい!」という気持ちが湧いてきました。
友達に雑誌を見せたこともありますが、みんな「これ、嘘だろ?」と笑って信じませんでした。確かに、どれも現実離れしていましたが、写真や記事の構成がやけにリアルだったため、私の中では「本当なのかもしれない」という思いが強く残っていました。
雑誌との別れと、その後の記憶
その雑誌がどうなったのか、いまでははっきり覚えていません。捨てたのか、友達にあげたのか、それともどこかに紛れ込んでしまったのか。ただ、ふとした瞬間に「あの雑誌は一体なんだったのか」と考えることがあります。
雑誌に載っていた内容の一部が、なぜか現実の出来事とリンクしているように思える瞬間もありました。たとえば、数年後に話題になった「透明な素材」のニュースを聞いたときや、未来を予知する装置の開発が進んでいるという話題を見たときなどです。
「もしかして、あれは未来を先取りした雑誌だったんだろうか?」
大人になってからの謎の余韻
社会人になった今、あの雑誌を再び手に取ることは叶いませんが、思い出すたびに不思議な感覚に包まれます。あれは単なる偶然の産物だったのか、それとも本当にどこかの誰かが、私たちには知り得ない「別の世界」の情報をまとめたものだったのか。
同僚にその話をしたところ、「子供の頃って、現実と空想が混ざりやすいから、きっと気のせいだよ」と笑われました。でも、あの雑誌を見た瞬間の高揚感や、内容の奇妙さは今でも鮮明に思い出せます。
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