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小学生時代に拾った“奇妙な雑誌”の記憶が消えない理由 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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社会人として忙しい日々を送る中で、ふとした時に子どもの頃の記憶が蘇ることがあります。特に不思議な体験をした記憶というのは、なぜか鮮明に頭に浮かんでくるものです。

これは、私が小学生だった頃に体験した、いまだに忘れられない奇妙な話です。

道端で拾った雑誌

小学校4年生の秋頃だったと思います。学校の帰り道、ふと道端の草むらに何かが落ちているのを見つけました。それは、一冊の雑誌でした。

表紙はボロボロで、タイトル部分は少しかすれていましたが、確か「オカルト〇〇〇(正確な名前は覚えていません)」と書かれていた気がします。

当時はテレビや本で「幽霊」「UFO」「超能力」といった話題に興味津々だった私にとって、その雑誌はまさに宝物のように思えました。

「ラッキー! 家で読もう!」

私はそれを拾い上げ、そのまま家に持ち帰りました。

妙にリアルな特集記事

家に帰って雑誌を開いてみると、そこには一風変わった内容がぎっしりと詰まっていました。一見するとオカルト雑誌のような内容で、タイトルだけでも「超常現象の真実」「次元の扉が開く場所」「未来を知る方法」など、いかにも怪しげな記事が並んでいました。

しかし、その雑誌が他のオカルト雑誌と一線を画していたのは、記事の内容が異様なまでにリアルだったことです。

例えば、「次元の扉が開く場所」という特集では、特定の座標と地図が掲載されていて、「ここに立つと一瞬だけ別の風景が見える」という体験談が写真付きで紹介されていました。

また、「未来を知る方法」という記事には、「夢を通じて未来の出来事を見ることができる」などと書かれていて、実際に未来を予言したかのような証言が細かく載っていました。

子ども心に、「これって本当なのかな?」と思いながらも、妙なリアリティがあり、読み進める手が止まらなかったことを覚えています。

友人と雑誌を共有する

その雑誌は私だけで楽しむには惜しいと思い、翌日学校に持っていきました。休み時間に仲の良い友人のアキラに「面白い雑誌を拾ったんだ!」と見せると、彼も大興奮でした。

「これ、本当だったらすごいよな!」

アキラは特に「次元の扉」の記事に興味を持ち、その座標が自分たちの町からそう遠くない場所だと知ると、「行ってみよう!」と提案しました。

私たちは放課後、自転車でその場所に向かうことにしました。

“次元の扉”の場所へ
地図に書かれた通り、町外れの田んぼを抜けた先にある小さな林に着きました。その場所は特に変わったところもなく、ただの静かな林でした。

「本当にここ?」

アキラが地図と見比べながら確かめますが、間違いなく雑誌に記載されている場所でした。

私たちはしばらくそこに立っていましたが、何も起こりません。最初はワクワクしていた気持ちも次第に冷めていき、「やっぱり作り話か」と半ば諦めて帰ることにしました。

奇妙な出来事

しかし、帰り道で異変が起きました。自転車を漕ぎながらふと振り返ると、背後の空が妙に赤く染まっていることに気づいたのです。

「……何これ?」

アキラも気づき、「夕焼けかな?」と言いましたが、それにしては不自然な色合いでした。空がまるで燃えるように赤く、私たちの背中を押すように広がっていく感覚がありました。

その瞬間、耳鳴りのような高い音がして、視界が一瞬ぼやけました。

次に気がついた時、私たちはいつの間にか自転車を止めて立ち尽くしていました。

「さっきの……何だったんだ?」

アキラも私も何も言えず、そのまま家路につきました。

雑誌の消失

その後、雑誌はどうしたのかはっきり覚えていません。たぶん、友人にあげたか、どこかにしまい込んだまま無くしてしまったのだと思います。

しかし、大人になった今でも、あの雑誌の異様なリアリティと、あの林で起こった奇妙な出来事が記憶に残っています。

大人になった今、思うこと

社会人になり、雑誌や記事がどのように作られるか知った今では、あの雑誌もただのオカルトを題材にした面白半分の創作だったのかもしれないと思います。

けれど、なぜか心のどこかで、「あの雑誌の中身は本物だったのではないか」と思う自分がいるのも事実です。

もしかすると、あの雑誌に書かれていたことは、全て“知るべきではなかった事実”だったのかもしれません――。



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