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散歩中の赤ちゃんは人形?――ゾッとする奇妙な出会い 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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大学入学と一人暮らし

大学入学を機に、一人暮らしを始めた私。住み始めたワンルームアパートは、最寄り駅まで歩いて10分程度で、通学にも便利な場所でした。ひとり暮らしの寂しさに慣れるため、大学生活に集中しようと決めていました。

そんなある日、大学へ向かう道でベビーカーを押して散歩している母親を見かけました。ベビーカーの中はカバーで覆われていて中は見えませんが、なんとなく幸せそうな雰囲気が印象的でした。それからというもの、通学中にその親子を見かけることが増えました。

ベビーカーの中身を見てゾッとする

ある日の朝、その親子とすれ違ったとき、ベビーカーのカバーが珍しく開いていました。「どんな赤ちゃんかな?」と何気なくベビーカーの中を覗くと、それは赤ちゃんではなく、人間そっくりの赤ちゃん人形でした。

リアルすぎて一瞬言葉を失いました。まるで実物の赤ちゃんのような肌や髪の質感――それなのに、どこか冷たさを感じるのです。私は思わず足早にその場を離れました。

本物か偽物か?

それ以降も、その親子を見かけるたびにベビーカーの中が気になって仕方がありませんでした。ある日、赤ちゃんに向かって母親が楽しそうに話しかけている場面に遭遇しました。「あれ、本物の赤ちゃんなのかも?」と思い、再度すれ違いざまに中を覗いてみました。

すると、赤ちゃんの手や足が確かに動いているのが見えたのです。「あぁ、やっぱり見間違いだったんだ」と安心しかけたその瞬間、赤ちゃんの顔が視界に入りました。表情は確かに動いているのに、どこか無機質で、まるで動く人形のようでした。

その不気味さに再びゾッとしながらも、「もしかして、最先端の赤ちゃん型ロボットなのかもしれない」と無理やり自分を納得させました。

赤ちゃんとの「接触」

数日後、またもその親子とすれ違いました。その時は赤ちゃんが激しく泣いており、母親が必死にあやしていました。しかし、赤ちゃんはなかなか泣き止まず、母親は少し慌てた様子。そんな中、赤ちゃん用のマグマグ(ドリンクボトル)が地面に転がり、私の足元に転がってきました。

反射的に拾い上げ、母親に手渡しました。その瞬間、母親が私を見上げましたが、その表情は普通ではありませんでした。どこか焦りと怯えが入り混じったような、奇妙なものでした。そして、赤ちゃんを間近で見てしまいました。

赤ちゃんの顔は――まるで人形と人間の間の何か。肌には人間らしい柔らかさがあるのに、目や口元は作り物のようでした。その異様さに私は声も出せず、ただ母親にマグマグを渡すことしかできませんでした。

母親はお礼もそこそこに、泣き止まない赤ちゃんを抱え、足早にその場を去っていきました。その後ろ姿を見ながら、私はただ立ち尽くすしかありませんでした。

見かけなくなった親子

それ以来、その親子を見かけることはなくなりました。毎日の通学路で確かに何度も見かけていたのに、突然姿を消してしまったのです。

あの赤ちゃんは一体何だったのか。本当に人形だったのか、それとも何か私の知らない存在だったのか――いまだに答えは分かりません。ただ、あのマグマグを拾ってしまったあの日のことを思い出すたび、背筋が冷たくなるのです。



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