目次
プロローグ
「働いたら負け」
そんな冗談を口癖にしていた友人の 田中 が、ある日突然消えた。
いや、正確に言えば 「存在が消えた」 というべきかもしれない。
これは、私が体験した “忘れられない恐怖” の話だ――。
第一章:田中の転落
田中は、大学を卒業したものの就職活動に失敗し、結局 ニート になった。
最初のうちは「まあ、何とかなるだろう」と笑っていたが、半年、1年と経つにつれて次第に顔つきが変わっていった。
「なんかさ……俺、最近、自分が薄くなってる気がするんだよ。」
「は?」
突然、意味不明なことを言い出した田中を見て、私は少し引いた。
「薄くなってるって、どういうことだよ?」
「いや……なんていうか、俺の影が前よりも “色が薄く” なってる気がする。」
第二章:消えゆく存在
田中の言葉は気味が悪かったが、その時は「考えすぎだろ」と笑い飛ばしていた。
しかし、それから数週間後、田中の様子は明らかにおかしくなっていった。
「最近さ、俺のことを誰も覚えてくれないんだよ。」
「何言ってんだよ。俺、ちゃんと覚えてるだろ?」
「お前はな。でも、親とか近所の人とか、みんな俺に話しかけなくなった。ついに、コンビニの店員にも素通りされたんだよ。」
「それは気のせい……じゃないか?」
「本当にそう思うか?」
田中はスマホのカメラを開き、自撮りモードにした。
「ほら、見てくれよ。」
画面には、私の姿だけが映っていた。
田中の姿は “ぼんやり” と霞んでいて、まるで透けているかのようだった。
第三章:田中の家
その日を最後に、田中は連絡を絶った。
心配になった私は、彼の家を訪ねることにした。
しかし、インターホンを押しても応答がない。
玄関のドアは 鍵がかかっていなかった ので、恐る恐る中に入った。
「田中? いるのか?」
しかし、部屋の中は異様に “静か” だった。
テレビもPCもついていない。積み上げられたゲームソフト、半分食べかけのカップ麺……生活の痕跡はあるのに、田中の姿だけがなかった。
そして、机の上に置かれた一枚の紙。
そこには 震えた筆跡 で、こう書かれていた。
「働かないと、消える」
第四章:消された痕跡
さらに奇妙だったのは、田中の部屋の 壁一面にびっしりと書かれた同じ言葉 だった。
「働かないと、消える」
「働かないと、消える」
「働かないと、消える」
壁、天井、床にまで、この言葉が刻まれていた。
私は恐怖に駆られ、急いで田中の親に連絡した。
しかし――
「田中? うちにはそんな息子はいませんが……?」
電話口の母親は、何の疑問もなくそう答えた。
私は慌てて田中のSNSや大学の卒業名簿を調べた。
しかし、どこにも “田中” という名前はなかった。
まるで、最初から存在していなかったかのように――。
第五章:最後の違和感
それ以来、私は田中のことを誰にも話せなくなった。
誰も彼を覚えていない。
証拠もない。
しかし、ある日、会社の昼休みにスマホを開くと、見覚えのある アカウント名 がタイムラインに浮かび上がった。
それは、消えたはずの田中のTwitterだった。
「……まさか!」
慌ててプロフィールを開くと、そこにはたった一言だけツイートが残されていた。
「働きたくない……。」
そして、そのツイートを最後に、アカウントは消えた。
結末:あなたも気をつけて
もし、働かずにダラダラ過ごしているなら、気をつけたほうがいい。
あなたの 影が薄く なってはいないだろうか?
誰かに “最近、見えづらい” って言われていないだろうか?
もし、そうなら――あなたも “消える側” なのかもしれない。
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