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ゴミ捨て場の袋 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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私は都内のワンルームマンションに住んでいる。特にこれといった趣味もなく、淡々と仕事をこなしては家に帰り、休日はダラダラと過ごす日々だった。

そんな退屈な日常の中で、あの異変が起こった。

奇妙なゴミ袋

ある夜、残業を終えて帰宅すると、マンションのゴミ捨て場にひとつだけ異様なゴミ袋が置かれているのが目に入った。

いつもの透明なゴミ袋ではなく、黒いビニール袋。それ自体は珍しくもないが、その袋だけ妙に膨らんでいた。

普通のゴミ袋とは違い、中身がパンパンに詰まっている感じで、少し歪な形をしていた。まるで、中に何か大きなものが押し込められているように。

「なんだこれ……?」

私は気味が悪くなりながらも、その場を離れた。

ゴミ袋の中身

翌朝、出勤しようとゴミ捨て場の前を通ると、昨夜の黒いゴミ袋がまだ残っていた。収集日ではないから当然だが、なぜか昨日よりも膨らんでいるように見えた。

「誰かの粗大ゴミかな……?」

そんなことを考えながら会社に向かった。

しかし、帰宅してまたゴミ捨て場を見たとき、私はゾッとした。

黒いゴミ袋が、昨日よりさらに膨れ上がっている。

まるで何かが内部で成長しているかのように。

袋の中から聞こえる音

気味が悪かったが、翌日もそのゴミ袋はまだ捨てられたままだった。

私は我慢できずに近づき、耳を澄ませた。

「……く……ぅ……」

中から、かすかな音が聞こえた。

まるで、誰かがうめき声を上げているような――そんな、湿った音。

私は背筋が凍りついた。

「まさか……何か生き物が入ってる?」

しかし、すぐにそんなはずはないと自分に言い聞かせた。きっと気のせいだ。疲れているせいだ。そう思って、その日は足早に家へ戻った。

増えるゴミ袋

翌朝、ゴミ捨て場を見ると、黒いゴミ袋が2つに増えていた。

私は思わず足を止めた。

「……昨日は、1つだったよな?」

新しく増えた袋も、やはり妙に膨らんでいた。そして、またしても袋の中から微かに音が聞こえる。

「……く……る……し……」

私は恐怖でその場を離れた。

消えた袋と不可解な出来事

その夜、意を決してもう一度ゴミ捨て場を確認すると、黒い袋はすべて消えていた。

「誰かが回収したのか……?」

少しホッとしたが、翌朝、マンションのエレベーター前に行くと、また違和感を覚えた。

マンションの住人たちの表情がどこか暗いのだ。管理人も何かを気にしているようだった。

不審に思い、住人の一人に話を聞くと――

「昨日、上の階に住んでた人が急にいなくなったらしい。」

「え?」

「突然、行方不明になったんだって。」

私の心臓が跳ねた。

黒いゴミ袋が増えた数と、消えた住人の数――まさか、関係があるのか?

最後に届いたもの

数日後、私はポストを開けて戦慄した。

そこには、黒いビニール袋の切れ端と、小さな紙切れが入っていた。

紙には、歪んだ字でこう書かれていた。

「つぎは おまえ」



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