目次
プロローグ
子どもの頃、大切にしていたおもちゃがあった。
ボロボロになっても、どこか愛着があって捨てられなかった。
しかし、大人になってから気づいた。
「あのおもちゃは、俺が捨てたはずなのに、なぜか戻ってきていた――。」
第一章:古いおもちゃの発見
実家の整理をしていたときのことだ。
押し入れの奥から、古びた箱を見つけた。
懐かしくなって開けてみると、そこには 子どもの頃に遊んでいたおもちゃ が入っていた。
特に目を引いたのは、一体の ゼンマイ仕掛けのピエロの人形 だった。
「……懐かしいな。」
記憶では、小学生のときに処分したはずだったが、なぜかここにある。
母親に聞いてみても、「そんなおもちゃ、うちにあったかしら?」と不思議そうな顔をする。
仕方なく、私はそれを再び処分することにした。
第二章:戻ってくるピエロの人形
ゴミ袋に入れて捨てた翌日、私は仕事のため都会のアパートへ戻った。
しかし、部屋に帰ると 信じられないもの が目に入った。
昨日、実家で捨てたはずのピエロの人形が、玄関の前に置かれていたのだ。
「……は?」
心臓が凍るような感覚に襲われながらも、冷静に考える。
「母さんが冗談で持ってきたとか……?」
すぐに電話をかけたが、母は「そんなことするわけないでしょ」と困惑していた。
嫌な予感がしつつも、私はその人形を再びゴミ袋に入れ、今度はアパートのゴミ捨て場に捨てた。
「もう戻ってくるなよ……。」
第三章:夜中の異変
その夜、妙な夢を見た。
真っ暗な部屋の中で、誰かが私を見つめている。
「カタカタ……カタカタ……。」
ゼンマイを巻くような音が静かに響き、誰かの笑い声が聞こえた気がした。
「……っ!」
飛び起きると、全身が汗でびっしょりだった。
「夢……か?」
しかし、嫌な感覚は拭えなかった。
翌朝、玄関を開けた瞬間、 血の気が引いた。
昨日、捨てたはずのピエロの人形が、またそこにあったのだ。
しかも、どこか様子が違う。
笑っているはずのピエロの口元が、ほんの少し 「歪んでいる」 ように見えた。
第四章:ビデオカメラの記録
完全に気味が悪くなった私は、今度こそこの人形の謎を暴くべく、ゴミ捨て場に捨てる前に 部屋の前に設置したビデオカメラで録画する ことにした。
人形を玄関に置き、カメラを回し、翌朝確認する。
再生開始――。
最初の数時間は何も映っていない。
しかし、深夜2時を過ぎたあたりで、画面に 異変 が現れた。
ピエロの人形が、少しずつ位置を変えている のだ。
「……誰かが動かした?」
しかし、録画を巻き戻しても、人形に触れている人影は映っていなかった。
勝手に、動いている。
カメラはそのまま録画を続け、人形はじわじわと 玄関のドアの方へ向かって 動いていた。
そして、最後の数秒――
人形が、カメラの方へ振り返った。
そこで録画は終了していた。
第五章:最後の処分
私は恐怖に震えながら、人形を今度こそ完全に処分することを決意した。
「燃やすしかない……。」
近くの山へ行き、人形に持ってきた灯油をかけ、ライターで火を点けた。
すると――
「カタカタカタ……。」
ゼンマイの音が、炎の中から響いた。
「カタ……カタ……。」
燃えながら、人形はまるで何かを言いたげに 口をパクパク させているように見えた。
それでも私は目をそらさず、完全に灰になるまで見届けた。
これで終わった。
そう思っていた。
結末
それから数日後。
仕事から帰宅した私は、いつものように玄関のドアを開けた。
そして――
足元に、見覚えのある 小さなゼンマイ が転がっていた。
「カタ……カタ……。」
今も時々、夜中にゼンマイを巻く音が聞こえる気がする。
あのおもちゃは、本当に消えたのだろうか?
それとも、また――。
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