怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

川辺の違和感――深夜に聞こえる水音の正体 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

投稿日:

川沿いのアパート

俺が住んでいるアパートは、川沿いに建っている。

と言っても、観光地にあるような綺麗な川ではない。

川幅は狭く、水は濁り、昼間でも薄暗い。

ただ、家賃が安かったこともあり、俺は特に気にせずに住んでいた。

最初のうちは。

深夜に響く水音

この部屋に引っ越して数週間が過ぎた頃、深夜になると妙な水音が聞こえるようになった。

ザバ……ザバ……

最初は単なる波の音かと思っていた。

だが、ある夜、ベランダから川を覗いてみると、水の流れとは違う方向に波紋が広がっていた。

「……なんだ?」

魚が跳ねたのかと思ったが、どうも違う。

何かが、ゆっくりと川の中から這い上がってくるような動きだった。

気味が悪くなり、すぐにカーテンを閉めた。

川沿いの老婆の忠告

次の日、アパートの近くで川を掃除している老婆に会った。

「こんにちは」と挨拶すると、老婆はじっと俺の顔を見て言った。

「夜中に川を覗いちゃいけないよ。」

「え?」

「見たら、引きずり込まれるよ。」

冗談かと思ったが、老婆の顔は真剣だった。

「昔から、この川には"何か"がいるんだよ。ここらの人間は、絶対に夜に近づかない。」

そう言い残し、老婆は黙々と掃除を続けた。

俺は気味が悪くなったが、それ以上深く考えないようにした。

それは、水の中から現れた

それから数日後の深夜。

蒸し暑くて寝苦しく、何気なく窓を開けてしまった。

その瞬間――

ザバ……ザバ……

あの音が、すぐ近くで響いた。

嫌な予感がして、そっとカーテンの隙間から川を覗く。

そこにいたのは――

黒い何かだった。

人の形をしているようにも見えるが、腕や足が異様に長い。

それが、ゆっくりと川の中から這い上がり、俺のアパートの方へと向かってくる。

俺は咄嗟にカーテンを閉め、鍵をかけた。

ドンッ……ドンッ……

窓の外から、何かがぶつかる音がする。

俺は布団をかぶり、必死に目を閉じた。

川に消えたもの

翌朝、恐る恐る窓を開けてみると、何もなかった。

だが、ベランダの床には、濡れた足跡のようなものが残っていた。

それ以来、俺は深夜に川を覗くことをやめた。

しかし、夜になると今でも――

ザバ……ザバ……

あの音だけは、聞こえ続けている。



■おすすめ

マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】




ロリポップ!

ムームーサーバー


新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp



世界の心霊写真 ~カメラがとらえた幽霊たち、その歴史と真偽

新品価格
¥3,080から
(2024/10/17 10:26時点)



ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-, , , , ,

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.