ある日、仕事から帰宅すると、玄関のドアに小さなメモが貼られていた。
「おかえりなさい。」
手書きの文字。丸っこい筆跡で、どこか子供が書いたような感じがした。
私は不思議に思いながらも、「誰かのいたずらかな」と深く考えずにメモを剥がし、そのまま部屋に入った。
だが、それが最初の異変だった。
目次
増えていくメモ
次の日、玄関を出ると、またメモが貼られていた。
「いってらっしゃい。」
今度はドアの内側だった。
「……え?」
外ならまだしも、部屋の中に貼られているのはおかしい。
私は一人暮らしだ。誰かが勝手に部屋に入れるはずがない。
気味が悪くなったが、もしかすると酔った自分が冗談で書いたのかもしれないと思い、無理やり気にしないようにした。
だが、それから毎日メモが増えていった。
奇妙なメッセージ
数日後、メモはさらに増えていた。
「今日のごはんはなに?」
「寒いね。」
「ゆっくり休んでね。」
まるで、誰かが私の日常を見ているような内容だった。
この時点で、私は本格的に怖くなり、友人に相談した。
「気のせいじゃない? 監視カメラつけてみれば?」
友人のアドバイスを受け、私は部屋に小型カメラを設置することにした。
カメラに映ったもの
翌朝、目を覚ますと、またメモが増えていた。
「よく眠れた?」
私は震える手でカメラを確認した。
録画を巻き戻して深夜の映像をチェックする。
そして――
私は画面を見て、心臓が止まりそうになった。
午前3時――メモがゆっくりと浮かび上がり、ドアに貼りつく様子が映っていた。
誰もいないはずの部屋で、メモだけがゆっくりと動いている。
最後のメモ
恐怖のあまり、私はすぐに部屋を引き払うことを決めた。
荷物をまとめ、最後にドアを開けると――
メモが一枚、床に落ちていた。
そこには、こう書かれていた。
「もう いっしょに いられないね」
まるで、ずっと私と一緒にいた何かが、別れを惜しんでいるかのように。
私は二度と振り返らず、その部屋を後にした。
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