怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

台風の夜、閉ざされた部屋で 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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台風の日の一人暮らし

その年の秋、観測史上最大級の台風が直撃するとニュースで大騒ぎしていた。

俺は一人暮らしのワンルームマンションで、その警報をぼんやりと聞き流していた。

特に用事もなく、仕事もリモートに切り替わったから、部屋にこもって台風が過ぎるのを待つだけ。

強風が窓ガラスを揺らす音と、遠くから聞こえる救急車のサイレンだけが静かな部屋に響いていた。

「まあ、台風が過ぎたら買い出しに行けばいいか」

そんなことを考えながら、俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出した。

不自然な音

夜中の2時ごろ、「カタ、カタ、カタ……」

妙な音で目が覚めた。

最初は、台風の風が何かを叩いているのかと思った。

でも、その音は風の強さに関係なく、一定のリズムで続いている。

「カタ、カタ、カタ……」

まるで、誰かがドアの前で何かを指先で叩いているような音。

怖くなって、部屋中の電気をつけた。

音の正体を確かめる

音の出所を確かめるために、玄関へそっと近づいた。

耳をドアに近づけると、すぐ向こう側から確かに音が聞こえる。

「カタ、カタ、カタ……」

何か細いもので、軽くドアを叩いているような音。

思わずドアスコープを覗いた。

――誰もいない。

でも、音は続いている。

「カタ、カタ、カタ……」

俺は全身に鳥肌が立った。

恐る恐るドアを開けてみた。

すると――。

音はピタリと止んだ。

誰もいない。

台風の強風が吹き込んでくるだけだった。

部屋に戻ると…

ホッとしたのも束の間、部屋に戻ると、今度はクローゼットの方から音がする。

「カタ、カタ、カタ……」

心臓がバクバクしていた。

クローゼットを開けると、そこには何もなかった。

でも、ドアの内側に、無数の小さな引っかき傷がついていた。

気味の悪いメッセージ

次の日、台風が過ぎ去った後、ふと玄関のドアを見ると――。

外側に「開けてくれてありがとう」と小さく書かれていた。

インクではなく、まるで指でなぞったような跡。

その跡は、どんなに掃除しても消えなかった。



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