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海沿いに並ぶ白い影:誰も知らない恐怖の真相 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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夏の終わりの不穏な気配

大学生の夏休み、友人の翔太と僕は、人気の少ない小さな海辺の町へ旅行に行った。
観光ガイドにもほとんど載っていない場所だったが、静かなビーチでのんびり過ごせると思ったからだ。

宿は古びた民宿。
海まで歩いて5分、まさに理想的なロケーションだった。

夕方、波の音を聞きながら海沿いを散歩していると、翔太が突然立ち止まった。

「あれ…なんだ?」

彼が指差す先、薄暗くなり始めた砂浜に――白い影のようなものが、等間隔でずらりと並んでいた。

白い影との遭遇

最初はビニール袋や漂流物かと思ったが、近づくと違うことがわかった。
人の形をしている。

真っ白い布のようなものをまとった、背丈がほぼ同じ影たちが、じっと海の方を向いて並んでいた。

翔太が冗談混じりに、
「おい、これ…肝試しか何かか?」 と言ったが、僕は笑えなかった。

風が吹いているのに、白い布は微動だにしない。
しかも、彼らの足元が――影がない。

それは、立っているのではなく“浮かんで”いたのだ。

民宿での不穏な噂

慌てて宿に戻り、民宿の女将さんにその話をすると、彼女の顔が一瞬、強張った。

そして、絞り出すように言った。
「ああ…また見えたんですか。あれは“忘れられた人たち”です。」

詳細を聞こうとしても、女将さんはそれ以上話してくれなかった。
ただ一つ、こう忠告された。

「夜の海には、二度と近づかないでください。」

翔太の失踪

その夜、翔太は僕が寝ている間に部屋を抜け出してしまった。
目を覚ましたとき、彼のベッドは空だった。

慌てて探しに出ると、遠くの海岸にまた白い影たちが並んでいるのが見えた。
その列の中に――翔太がいた。

他の白い影と同じように、無表情で海を見つめ、動かない。

叫んでも、近づいても、翔太は振り向かなかった。
むしろ、近づくほどに身体が透明になっていくような錯覚すらあった。

最後に見た翔太の顔は、どこか穏やかで、もうこの世の人間ではないようだった。

その後

警察にも届けたが、翔太は結局、行方不明のままだった。
証拠もなく、僕の話は誰にも信じてもらえなかった。

今でもニュースでは「海辺での若者の失踪事件」として扱われているが、真実を知っているのは僕だけだ。

あの白い影たちは、きっと忘れ去られた人々の残骸――海が決して返さない“記憶”なのだろう。



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