目次
事故物件に住む理由
社会人3年目、転職を機に都内で一人暮らしを始めることになった。
とはいえ、都内の家賃は高い。そんな時、不動産サイトで見つけたのが「家賃半額の1K」だった。
立地も広さも申し分ない。
安さの理由は――事故物件。
前の住人がこの部屋で亡くなったらしい。自殺か他殺かは曖昧だったが、僕は全く気にしなかった。
「安いし、幽霊なんているわけない」
そう思って、即決で契約した。
最初の違和感
入居して1週間。特に変わったことはなかった。
しかし、ある日帰宅すると玄関のスリッパが左右逆に揃えられていることに気づいた。
気のせいかと思ったが、その後も小さな異変が続いた。
テーブルのリモコンの位置が少しズレている
閉めたはずのクローゼットの扉がわずかに開いている
お風呂の鏡に、自分ではない誰かの手形が残っている
「疲れてるだけだろう」
そう自分に言い聞かせた。
“もう一人”の気配
ある夜、ベッドで寝ていると、枕元で誰かが立っている気配がした。
目を開けても誰もいない。でも、確かに感じる。
翌朝、目覚めると、ベッドの足元にうっすらと埃でできた足跡がついていた。
冷や汗が止まらなかった。
それでも引っ越すお金もない。
「気のせい」で片づけて、普段通りの生活を続けた。
見えない同居人との奇妙な日常
不思議なことに、怖さは徐々に薄れていった。
むしろ、異変が日常になっていく感覚だった。
夜中に勝手にテレビがついても、電源を切って寝るだけ。
台所で物音がしても、「おかえり」と呟いて済ませる。
ある日、仕事で疲れて帰宅し、無意識に部屋へ向かって言った。
「ただいま。」
すると、玄関の電気がパッと点いた。
…それからは、まるで“同居人”がいるかのような生活だった。
洗濯物がたたまれていることもあったし、朝起きるとコップに水が用意されていることもあった。
決定的な瞬間
ある夜、寝る前にスマホで写真を撮った。
ふと画面を見ると、僕の隣に見知らぬ人の影が映っていた。
でも、不思議と怖くなかった。
「あぁ、やっぱりいるんだな」
ただそれだけだった。
その後
引っ越して数年経つけど、あの部屋のことは時々思い出す。
今でも思う。あれは「幽霊」だったのか、「何か別の存在」だったのか。
でも、一つだけ言えることがある。
あの事故物件で、僕は“ひとり暮らし”をしていなかった。
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