目次
雪山のロッジでの出来事
大学時代、友人たちと4人でスキー旅行に行ったときの話です。
場所は、長野の山奥にある古びたロッジ。人気がないのか、他の客はあまりいないようでした。
夜になると、窓の外は静かで、降り積もる雪だけが音もなく世界を覆っていく。
ロッジの暖炉で酒を飲みながら、僕たちは冗談半分に「ここ、出そうだよな~」なんて話していました。
でも――その夜、僕たちは本当に“何か”を目撃することになるのです。
消えない足音
夜中、トイレに起きた僕は、ふと「ギシ、ギシ…」という音に気づきました。
まるで、誰かが廊下をゆっくり歩いているかのような足音です。
最初は、友人の誰かがトイレかと思いましたが、全員の部屋を確認すると――全員寝ている。
不気味に思いながらも、怖さを紛らわすため、窓の外を見ました。
そこには、誰もいないはずの雪の上に、一本の足跡がはっきりと続いていたのです。
足跡を追う
翌朝、友人たちにその話をしました。
怖がるかと思いきや、逆に好奇心旺盛な友人たちは「面白そうだ!」と、足跡をたどることに。
足跡はロッジの裏手、森の中へと続いていました。
しかし、不思議なのは――足跡が“行き”だけで、帰りの足跡がない。
誰かがロッジの近くまで来て、そのまま森の奥へ歩いていったような跡。
雪は前夜からずっと降り続いていたのに、その足跡だけは新しいまま、雪に埋もれていなかったのです。
森の中で見たもの
足跡を追ううちに、深い森の中で僕たちは立ち止まりました。
そこには、足跡が突然途切れていたのです。
地面の上に、ポツンと残る最後の足跡。
その先は何もない――普通なら足跡が続くはずなのに、急に消えている。
友人が冗談混じりに、
「まるで、ここで空に消えたみたいだな…」
と言った瞬間――
真上から「ヒュッ…」という微かな息遣いが聞こえたのです。
全員、凍りつきました。
見上げても、そこにはただ雪が舞っているだけ。
でも、確かに誰かが上に“いる”気配がした。
ロッジへの帰還と奇妙なメッセージ
全力でロッジに戻りました。
放心状態で暖炉の前に座っていると、気づいたのです。
テーブルの上に、雪で濡れた紙切れが置かれていました。
そこには、震えるような筆跡でこう書かれていました。
「ここは私の場所だ」
その後
僕たちはすぐにロッジを離れました。
後日、ロッジのオーナーに話をすると、彼は深くため息をついて言いました。
「この辺りでは昔から、雪が積もる季節に“帰らない足跡”が現れるんだ。
足跡をたどる者は、二度と戻れなくなることもある。」
あの夜、僕たちは何に出会ったのか。
もしかすると、今も雪の森の中で“誰か”がこちらを見ているのかもしれません。
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