目次
ある古びた宿での出来事
大学時代、私は友人たちと山奥の古い旅館に泊まることになった。
築100年近いその旅館は、いわゆる「レトロな雰囲気」が売りらしい。
古い木造建築、きしむ廊下、薄暗い照明――まるで時が止まったかのようだった。
夜も更け、友人たちは酒に酔って次々と寝てしまった。
私は一人で廊下に出て、旅館内を少し探検してみることにした。
不気味な声がする部屋
薄暗い廊下を歩いていると、「カラン…カラン…」と廊下の奥から微かな音が聞こえてきた。
古い建物だから、風で何かが揺れているのかと思った。
ところが――
「ねぇ…そこにいるの?」
誰かの“ささやくような声”が、奥の部屋からはっきりと聞こえた。
酔って寝た友人のイタズラかと思い、ドアを開けて中を確認した。
しかし、そこには誰もいなかった。
誰もいない部屋の異変
部屋は畳敷きで、中央には小さな丸テーブルがひとつ。
窓も閉まっており、人が隠れるような場所はない。
それなのに――
「こっちに…おいでよ…」
今度は、私のすぐ後ろから声が聞こえた。
慌てて振り返るも、誰もいない。
背筋に冷たい汗が流れ、私はすぐに部屋を飛び出した。
旅館の主人の言葉
翌朝、勇気を出して旅館の主人にこの話をした。
主人は少し顔を曇らせ、静かにこう言った。
「あの部屋には、昔“ひとりぼっち”だった人がいたんです。」
詳しくは語られなかったが、長い間誰も泊めていなかった部屋だったらしい。
その後、私たちは予定より早く旅館を後にした。
それから…
帰宅してしばらく経ったある日、
夜中にふと目を覚ますと、部屋の隅から――
「ねぇ…そこにいるの?」
あのときと同じ声が、今度は私の自宅で聞こえた。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

