目次
スマホに表示される奇妙な広告
会社の昼休み、何気なくスマホを眺めていると、見たことのない広告が表示された。
「あなたを見ています」
文字だけの不気味な広告だった。
最初はただのいたずらかと思い、無視した。
だが、その後もアプリを開くたびに、同じ広告が表示される。
広告をタップしても何も起こらず、広告ブロックをしても消えない。
そして気づいた。
「あなたを見ています」の下に、日付と時刻が更新され続けていることに。
それは、まさに「今」の時間だった。
消しても消えない広告
気味が悪くなり、スマホの電源を落とした。
しかし、電源を入れると、待ち受け画面にまでその広告が表示されるようになっていた。
「なんだこれ…」
さらに、広告の文言が変わっていた。
「すぐ後ろを見て」
嫌な予感がして、振り返ることができなかった。
しかし、会社の廊下にあるガラスに目をやると――
私の背後に、見知らぬ男の姿が映っていた。
逃げられない追跡広告
慌ててオフィスに戻り、同僚に相談した。
だが、スマホを見せると、広告は消えていた。
「ただの広告の見間違いじゃない？」
同僚は笑っていたが、私にはそうとは思えなかった。
帰宅途中、スマホの通知音が鳴る。
ロック画面には、新たな広告が表示されていた。
「もうすぐ着きます」
背筋が凍りついた。
この広告は私の現在地を知っている。
広告の送り主
恐怖に駆られながら、自宅に戻るとポストに封筒が入っていた。
差出人は不明。
中には、印刷された広告が1枚だけ入っていた。
「ようこそ、私の世界へ」
スマホを確認すると、
広告の文言は、「もう遅い」に変わっていた。
その瞬間、画面がフリーズし、スマホのスピーカーからくぐもった笑い声が聞こえてきた。
その日から、私はこの広告から逃れられなくなった。
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