怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

使っていない部屋から聞こえる音 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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物置として使っている部屋

賃貸で借りている2LDKのマンション。
1LDKで十分だったが、2部屋の物件が思ったより安く、広い方がいいだろうと借りた。

しかし、結局使うのはリビングと寝室のみ。
もう一つの部屋は物置代わりになっていた。

掃除機、季節外れの家電、開けることのないダンボール箱――
日常生活ではほぼ立ち入らない部屋。

扉はいつも閉めてある。

深夜の物音

引っ越して半年が過ぎた頃、夜中に物音が聞こえるようになった。

リビングでスマホを見ていると、ふと何かが動くような気配。

カタ…カタ…

気のせいか?

寝室に移動して布団に入る。
しかし、しばらくするとまた音がする。

カタ…カタ…

物置にしているあの部屋からだ。

気になってドアを開けるが、そこには当然誰もいない。
積み上げたダンボールや家電も特に変わった様子はない。

ただ――

「何かがいた」気配だけが残っていた。

毎晩の気配

それからというもの、毎晩のように音がするようになった。

ある日は、壁を爪でひっかくような音。
ある日は、何かが床を引きずるような音。

気味が悪くなり、友人に相談した。
「ネズミとかじゃないの?」

そうかもしれないと思い、大家に連絡するも、
「このマンションでネズミの話は聞いたことがない」と言われた。

物置の扉が開く

ある夜、ふと目を覚ますと、何か違和感があった。

部屋の空気が異様に重い。
寝ぼけた頭であたりを見回すと――

開けた覚えのない物置部屋の扉が、わずかに開いていた。

ギィィ……

まるで、誰かが今、ゆっくりと開けたかのように。

ゾクリと背筋が凍った。

「風…か?」

いや、ありえない。
この部屋の窓はすべて閉まっている。

心臓の音がやたらとうるさく感じる。

恐る恐る扉を閉め、鍵をかけた。
もう何があっても、あの部屋には入らない。

それでも続く異変

それからというもの、物置部屋の異変はエスカレートしていった。

夜になると、閉めたはずのドアが少し開いている。
部屋の奥から気配を感じる。
ダンボールの位置が微妙に変わっている気がする。

そして、ある夜――

私は、決定的なものを見てしまった。

物置の中の影

夜中にふと目が覚めた。
寝室のドアが開いていた。

物置部屋のドアも――開いていた。

部屋の中をのぞくと――

暗闇の中に、「何か」がいる。

人影のようなものが、そこに座っていた。

顔は見えない。
ただ、確実にこちらを見ている。

目が合った瞬間――心臓が跳ねた。

足が動かない。
声も出ない。

その影は、スッと立ち上がると、ゆっくりとこちらへ向かってきた。

その瞬間、意識が途切れた。

朝、目を覚ますと

気づくと、朝だった。
私は布団の上にいた。

夢…だったのか?

いや、違う。
物置部屋のドアが、半分開いている。

震える手で、スマホを開き、不動産サイトを検索した。
この部屋、すぐに引き払おう。

翌日、不動産会社に連絡し、すぐに退去の手続きを進めた。

そして…

引っ越しの日、最後にもう一度、物置部屋を見た。

ダンボールはすべて運び出され、がらんとした空間。
何もない、はずだった。

しかし――

私は見てしまった。

床の隅に、うっすらと残る「人の足跡」を。

それは、誰かが長年そこに立っていたかのような跡だった。

私は、二度と振り返ることなく、新しい部屋へと向かった。



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