怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

不思議な餃子屋 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

仕事帰り、ふと裏路地にある小さな餃子屋に目が留まった。

「餃子専門店 縁(えにし)」

昔ながらの赤ちょうちんが揺れていて、どこか懐かしい雰囲気を醸し出している。

いつも通る道なのに、今までこの店に気づいたことはなかった。

空腹もあったし、なぜか吸い寄せられるように店の暖簾をくぐった。

【餃子屋の店主】

店内はカウンターのみの小さな空間だった。

奥の厨房には、白髪の老人がひとり。

「いらっしゃい。」

静かで落ち着いた声。

私はメニューを見ずに言った。

「餃子とビールください。」

老人は無言で頷き、手際よく餃子を焼き始めた。

ジュウジュウと焼ける音と、香ばしい匂いが漂う。

やがて、皿の上に並べられた餃子が目の前に置かれた。

【初めての味】

一口食べた瞬間、驚いた。

「……これは、母さんの餃子?」

外はカリッと、中はジューシー。

この味――間違いない。

小さい頃、母が作ってくれた餃子とまったく同じ味がする。

懐かしさに胸がいっぱいになり、無我夢中で食べ続けた。

【記憶の中の味】

「すごいですね。どうしてこの味を?」

思わず店主に尋ねると、彼は静かに微笑んだ。

「うちの餃子は、お客さんの“思い出の味”になるんだよ。」

「思い出の味?」

「ここに来る人はみんな、それぞれ“懐かしい味”を感じるらしい。」

私は驚いたが、確かにそうとしか思えない。

この店は、食べる人の記憶にある“特別な餃子”を作るのかもしれない。

【不思議なこと】

食べ終わり、会計をしようとすると――。

「お代は結構ですよ。」

「え? いや、そんなわけには…」

「また、いつか来てくれればそれでいい。」

訳がわからなかったが、店主の笑顔に押されてそのまま店を後にした。

「ごちそうさまでした。」

振り返ると、店の明かりがふっと消えた。

まるで、最初からなかったかのように――。

【エピローグ】

次の日、もう一度あの店に行ってみた。

だが、そこに餃子屋はなかった。

あったのは、古びた空き店舗のシャッターだけ。

「夢…だった?」

それでも、口の中にはまだ、あの餃子の味が残っている気がした。

「また、いつか来てくれればいい」

あの言葉が、どこか温かく心に響いた。

そして、私は思う。

「またいつか、あの餃子を食べに行けるだろうか?」

もしあなたが、ふと懐かしい餃子の味を思い出したら――

その日は、どこかの路地裏に「餃子専門店 縁」が現れるかもしれない。



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