目次
【プロローグ】
ある日、何気なくスマホの写真フォルダを開いた。
特に理由はなかった。ただ、ふと整理しようと思っただけだった。
ところが、スクロールしていくうちに、見覚えのない写真が紛れ込んでいることに気づいた。
「……こんな写真、撮った覚えないぞ?」
何気なくタップした瞬間、ゾクリと背筋が寒くなった。
【知らない写真】
写真は、どこかの古びたアパートの一室を写していた。
白っぽい壁に、小さな窓。剥がれかけたカーテン。
しかし、私はこんな場所に行った記憶はない。
「いつ、こんなの撮ったんだ?」
他の写真も確認すると、全部で5枚。
・古びたドア
・生活感のないキッチン
・埃をかぶったテレビ
・何も置かれていないテーブル
そして――。
・誰もいないはずの部屋の隅にある、小さな影
【増えていく写真】
その日以来、スマホのカメラフォルダに、知らない写真が増えていくようになった。
最初は1日1枚。
次第に、2枚、3枚と増えていった。
写真の内容も、徐々に変化していた。
最初は何もなかった部屋に、少しずつ何かが増えていく。
テーブルにコップが置かれる。
キッチンの隅に、使いかけのスポンジが置かれる。
そして――。
ベッドの上に、誰かが横たわる影が映り込む。
【友人の指摘】
不安になり、スマホに詳しい友人に相談した。
「これ、盗撮アプリとか仕込まれてるんじゃないか?」
「いや、カメラのアクセス権限は全部チェックした。でも、おかしなアプリは入ってない。」
「じゃあさ……この写真、どこの部屋なんだろうな。」
言われて初めて気づいた。
この部屋、どこにあるんだ?
調べようと、写真の一部を検索にかけてみたが、該当する場所は見つからなかった。
まるで、存在しないはずの部屋が、スマホの中に記録されているかのように。
【最後の写真】
ある朝、目が覚めると、スマホに新しい写真が追加されていた。
それは――。
私の部屋の写真だった。
しかも、見たことのない角度から撮られている。
「……どういうことだ?」
恐る恐る写真を拡大すると、部屋の隅に小さな影が映っていた。
それは、最初に見たあの古びたアパートの部屋の隅にあった影と、全く同じ形をしていた。
【エピローグ】
それ以来、スマホのカメラフォルダには、もう新しい写真は増えなくなった。
しかし、私は今でもふとした瞬間に思う。
「あの部屋は、いったい何だったのか?」
「あの影は、今どこにいるのか?」
もし、あなたのスマホのカメラフォルダに、覚えのない写真が紛れ込んでいたら――。
その写真のどこかに、小さな影が写っていないか、よく確認してほしい。
それは、あなたの部屋にも――もういるかもしれないのだから。
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