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死者と会える方法 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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「死んだ人に会う方法、知りたくない?」

大学時代の友人・佐々木から、そんなメッセージが届いたのは、ちょうど夜の10時を過ぎたころだった。

「面白い話を聞いたんだけどさ……ちょっと試してみない?」

普段なら適当に流すところだが、その日は妙に気になった。

なぜなら、ちょうど数日前に、私は亡くなった祖母の夢を見たばかりだったからだ。

もしかして、本当に会えるのか?

私は半信半疑のまま、佐々木に詳しい話を聞くことにした。

「死者に会う儀式」

佐々木の話によると、ある「方法」を使えば、亡くなった人と直接会うことができるらしい。

その方法は、こうだ。

深夜2時ちょうどに、鏡の前に座る。
亡くなった人のフルネームを、ゆっくり3回唱える。
鏡の中の自分と視線を合わせ、1分間まばたきをしない。
その後、目を閉じて「会いたい」と強く願う。
目を開けたとき、背後にその人がいる。
「……バカバカしいだろ?」

佐々木は笑ったが、私はどこか引っかかった。

「試してみる気か?」

そう聞かれて、私は思わず頷いてしまった。

鏡の前で

その夜、私は部屋の電気を消し、スマホの時計が深夜2時を指すのを待った。

小さな鏡をテーブルに置き、その前に正座する。

「……○○(祖母のフルネーム)。」

「○○。」

「○○。」

3回唱える。

鏡の中の自分と視線を合わせ、まばたきをせずに1分間耐える。

目がじんじんと痛む。

それでも、決して逸らさない。

そして、そっと目を閉じた。

「会いたい。」

心の中でそう願う。

誰かがいる

数秒後、私はゆっくりと目を開けた。

すると――

鏡の中に、私の背後に「何か」が立っているのが映った。

「……ばあちゃん?」

かすかに聞き覚えのある気配。しかし、顔がはっきりしない。

それどころか、よく見ると輪郭が微かに揺れている。

まるで、霧のように。

「……ばあちゃん、なのか?」

声をかけた瞬間――

鏡の中のそれが、ゆっくりと私の肩に手を伸ばした。

おかしい

私は全身が凍りついた。

このとき、私はある重大なことに気がついた。

祖母の指はこんなに長くなかった。

祖母の影は、こんなに大きくなかった。

鏡の中の影は、徐々に形を変えながら――

何か別のものへと姿を変えつつあった。

私は絶叫し、鏡を床に叩きつけた。

佐々木からの最後のメッセージ

翌日、佐々木にあの夜のことを話そうと連絡した。

しかし、LINEにはメッセージが届いていた。

「やっぱりやったんだな。もう遅いけど……。
絶対に、振り返るなよ。
それは、お前が呼んだものじゃない。」

私は急いで部屋を見渡した。

すると――

部屋の隅に、割れた鏡の破片が散らばっていた。

そして、その鏡の一片には――

私の背後に、何かが映っていた。



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