目次
【プロローグ】
「死者に会う方法を知っていますか?」
ある日、そんな奇妙な書き込みを見つけた。
深夜の掲示板、オカルト話が集まるスレッドの中に、それは紛れ込んでいた。
興味本位でスレを開くと、「やり方は簡単」と書かれていた。
私はその方法を、軽い気持ちで試してみた。
それが、取り返しのつかないことになるとは知らずに――。
【死者に会う方法】
スレッドには、こう書かれていた。
「死者に会いたければ、午前2時に鏡の前に立ち、ある言葉を唱えろ」
「『〇〇(会いたい人の名前)、こちらへおいで』」
「目を閉じ、30秒数えたあと、鏡を見よ」
まるで都市伝説のような話だった。
私は、亡くなった祖母に会いたかった。
幼い頃から可愛がってくれたが、数年前に突然亡くなった。
もう一度、声を聞きたい。
ただそれだけの思いで、私はその儀式を試した。
【鏡の中】
その夜、部屋の電気を消し、スマホの時計が午前2時を指すのを待った。
そして、鏡の前に立ち、ゆっくりと唱えた。
「おばあちゃん、こちらへおいで。」
目を閉じ、30秒数える。
1…2…3…
心臓が妙に速く鼓動する。
20…21…22…
背筋に冷たいものが走る。
何かが後ろに立っている気がした。
30…
私は、そっと目を開けた。
【会えたのか?】
鏡の中に映るのは、自分だけだった。
「……なんだ、やっぱり嘘か。」
拍子抜けして、そのまま寝ることにした。
しかし――。
次の日の朝、鏡を何気なく見た時、異変に気づいた。
鏡の中の“自分”が、微かに笑っていた。
しかし、私は笑っていない。
「……これ、本当に俺か?」
ゾッとして後ずさると、鏡の中の「私」は微笑みながら、わずかに首を傾けた。
まるで、『また夜にね』と言っているかのように。
【エピローグ】
それ以来、夜になると、鏡の中の自分が少しだけ違って見える。
口元が微かに動いたり、視線がずれていたり。
まるで、鏡の中の「何か」が、こちらを見ているように。
私はもう、二度とあの儀式を試そうとは思わない。
もしあなたも、「死者に会いたい」と思うなら――。
絶対に、鏡の前でその名を呼ばないことだ。
なぜなら、それが本当に死者なのかどうか、確かめる術はないのだから。
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