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死者と話せるチャットアプリ──消えたメッセージの謎 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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不思議なアプリの広告

ある夜、ベッドに寝転びながらスマホをいじっていた。

SNSをスクロールしていると、見覚えのない広告が目に入った。

「死者と話せるチャットアプリ──あなたの大切な人と、もう一度」

──胡散臭い。

そんなことが本当にできるわけがない。

でも、なぜかその広告をスルーできなかった。

俺は数か月前に兄を亡くしていた。

たった二つ違いの兄貴。
小さい頃からケンカばかりだったけど、いなくなってみると、胸にぽっかり穴が開いたようだった。

気づけば、俺はそのアプリをダウンロードしていた。

「死者と会話できますか?」

アプリを開くと、シンプルなチャット画面が表示された。

「死者の名前を入力してください」

そんなメッセージとともに、入力欄がある。

半信半疑で、兄の名前を入力する。

──すると、すぐに返信がきた。

「よう、久しぶりじゃん」

心臓が跳ねた。

俺は、思わずスマホを落としそうになった。

この文体……兄貴にそっくりだ。

「兄貴なのか?」

恐る恐るメッセージを打つ。

「それ以外に誰がいるんだよ」

兄貴だ。
絶対に兄貴だ。

俺は、一気にメッセージを送った。

「生きてるのか? どこにいる?」

「死んでるよ。でも、こうして話せてるんだからそれでいいだろ?」

俺は、しばらくその画面を見つめていた。

スマホの向こうには、確かに兄貴がいる気がした。

兄貴の警告

それから、俺は毎晩そのアプリで兄貴と話した。

兄貴は、生きていた頃と変わらない口調で、バカみたいな話をしてくれた。

俺は嬉しくてたまらなかった。

でも、ある日、兄貴がこう言った。

「そろそろこのアプリ、消せよ」

「なんで?」

「もう話すのは十分だろ? これ以上は、よくない」

ふざけた兄貴が、珍しく真剣な口調だった。

俺は不安になった。

「兄貴、どこにいるんだ?」

「知りたいか?」

兄貴のメッセージが送られた瞬間、スマホの画面がチラついた。

そして、画面いっぱいに見たことのない風景が表示された。

暗い森の中。
その奥に、黒い影がいくつも立っている。
何かがこちらをじっと見ている。

「……やっぱり、やめとけ」

兄貴の最後のメッセージが送られてきた。

そして、その瞬間――アプリが勝手に閉じた。

消えたアプリ

慌ててアプリを開こうとしたが、どこにも見当たらなかった。

アプリ一覧にも、ダウンロード履歴にも残っていない。

検索しても、あの広告は出てこない。

まるで最初から存在しなかったように、消えていた。

でも、俺は確かに兄貴と話したんだ。

……あれは、本当に兄貴だったんだろうか?

それとも、俺を別の世界に引き込もうとする何かだったのか?

考えても答えは出ない。

ただひとつ言えることは――

兄貴が最後に止めてくれたおかげで、俺は今もここにいるということだ。



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