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白い空間の夢 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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ある日、私は奇妙な夢を見た。

真っ白な空間の中に、ただひとり立っている夢だった。

床も天井も壁もなく、ただどこまでも白が広がっている。

音もなく、風もなく、重力さえ感じない。

それなのに、自分の足元だけははっきりと見える。

「……ここは、どこだ?」

夢だとわかっているのに、なぜか焦りがこみ上げてくる。

ふと振り返ると、遠くのほうにぼんやりとした影が立っていた。

それは、私と同じようにこの空間に迷い込んだ人のように見えた。

だが、その影は次第に「私の形」に似てきた。

夢の中の自分

影がゆっくりとこちらに歩いてくる。

距離が縮まるにつれ、はっきりとわかった。

それは――

もうひとりの「私」だった。

同じ顔、同じ服、同じ髪型。

私は言葉を失い、その「もうひとりの自分」を見つめた。

すると、そいつは口を開いた。

「やっと会えたね。」

私は何も言えなかった。

「もう少しだから、大丈夫。」

「……何が?」

そう聞こうとした瞬間、世界が反転した。

夢の向こう側

気がつくと、私はベッドの上にいた。

「……夢か。」

妙にリアルな感覚が残っていたが、夢なら仕方がない。

時計を見ると午前3時。

喉が渇いてキッチンへ向かおうとしたとき、ふと異変に気がついた。

部屋の隅に、誰かが立っている。

ゆっくりと、そちらに視線を向ける。

そこにいたのは――

夢の中で見た「もうひとりの私」だった。

そいつはニヤリと笑い、こう言った。

「今度は君が、あっちへ行く番だよ。」

目覚めた世界

次に目を覚ましたとき、私は再びあの白い空間に立っていた。

遠くに、今度は「ベッドの上の自分」が見えた。

そいつは、ゆっくりと起き上がり、私をじっと見つめた。

私は叫ぼうとしたが、声が出なかった。

そのまま、もうひとりの自分が、ゆっくりとドアを開け、部屋を出て行くのを見送ることしかできなかった――。

そして、私は気づいた。

この白い空間から、もう出られないのだ。



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