怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

誰が作ったお弁当? 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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【プロローグ】

私は毎日、仕事へ行く前に自分でお弁当を作っている。特別料理が得意なわけではないが、外食が続くとお金もかかるし、何より手作りの方が落ち着く。だからこそ、今朝の出来事には、どうしても納得がいかなかった。

【知らないお弁当】

いつも通り会社の休憩室で昼食を取ろうと、お弁当箱を開けた。「……ん?」そこに入っていたのは――まったく見覚えのないお弁当。自分で作ったはずの焼き魚や卵焼きではなく、まったく違うおかずが詰まっていた。しかも、どこか昔懐かしい雰囲気のする料理ばかり。
・ほくほくの煮物
・彩りのいいおひたし
・ほんのり甘い卵焼き
そして、一番驚いたのは――手書きのメモが添えられていたことだ。「今日も元気にね。」私の名前は、どこにも書かれていない。

【お弁当の記憶】

「……これ、誰が作った?」
「もしかして、お母さんが作ってくれたとか?」
「いや……うちの母はもう何年も前に亡くなってるし……」
私はふと考えた。
――このお弁当、なんだか母の味に似ている。
いや、それどころか、子供の頃に食べた味とまったく同じ気がする。
でも、それはおかしい。私の母は、もういないのだから。

【家に帰って確認】

帰宅後、キッチンに行って驚いた。
朝、作ったはずのお弁当箱が、そのまま冷蔵庫に入っていたのだ。
「じゃあ、私が持っていったお弁当は……?」
気味が悪くなり、すぐにお弁当箱を開けた。
だが――そこには、ちゃんと今朝作った焼き魚と卵焼きが入っていた。
じゃあ、私が昼に食べたのは、いったい誰が作ったものだったのか?
考えれば考えるほど、わからなくなる。

【次の日】

翌朝、お弁当を作る手が少し震えた。
「今日こそは、ちゃんと自分の作ったものを持って行こう。」
そう思いながら、きちんと確認してバッグに入れた。
だが――。昼休みにお弁当を開けると、また昨日と同じお弁当が入っていた。
煮物、おひたし、甘い卵焼き。
そして、今日のメモにはこう書かれていた。
「気づいてくれた?」

【エピローグ】

それ以来、毎日お弁当を作るたびに不安になる。
「今日こそは、自分の作ったものが入っているはずだ。」
だが、お昼になると、またあの懐かしいお弁当が現れる。
そして、メモの内容は少しずつ変わっていった。
「いつも見ているよ。」
「今日も頑張ってね。」
「あなたはひとりじゃないよ。」

私は今、このメモを書いている“誰か”に問いかけたい。
「あなたは、いったい誰なの?」
でも――もし、本当に母だったら。
そう考えると、もう少しだけ、このお弁当を食べ続けてもいい気がした。

もしあなたのお弁当に、知らないメモが入っていたら――それは、誰かがあなたを見守っている証拠かもしれない。



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