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ぬいぐるみの目が見ているもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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古いぬいぐるみ

俺は昔からぬいぐるみが好きだった。
男なのに? と思われるかもしれないが、小さい頃から親しんでいたせいか、特に違和感はなかった。

社会人になった今でも、部屋の棚にはいくつかのぬいぐるみが並んでいる。

ある日、実家に帰ったときのことだった。

押し入れを整理していると、昔お気に入りだったクマのぬいぐるみを見つけた。

「ああ、懐かしいな……」

手に取ると、少し埃っぽいが、思い出が詰まっている感じがした。
なんとなく愛着が湧いて、そのまま自分の部屋に持ち帰ることにした。

ぬいぐるみの目

部屋に戻り、クマのぬいぐるみを棚に飾った。
黒くて丸いガラスの目がこちらをじっと見ている。

その夜――

ベッドに横になり、スマホをいじっていると、ふと視線を感じた。
視線の先をたどると、クマのぬいぐるみの目が光を反射して、かすかに光っていた。

「……気のせいか」

そう思いながら、俺は寝ることにした。

ぬいぐるみが見たもの

次の日、ぬいぐるみを改めてじっくり見てみた。

小さい頃は気づかなかったが、どうもこのクマの目は妙にリアルだ。
ただのガラス玉ではなく、まるで本物の目のように奥行きを感じる。

試しにスマホのライトを当ててみると、なんと目の中に何か映っているように見えた。

俺はギョッとした。

映っていたのは、俺の部屋の光景ではなかった。

そこには――

古い家具が並ぶ、どこかの部屋の映像が映っていた。

まるで、ぬいぐるみの目が「別の場所」を映しているようだった。

ぬいぐるみの記憶

俺は、ぬいぐるみの目をじっと覗き込んだ。

すると、その部屋の映像が動き出した。

そこには、幼い俺が座っていた。
そして、その前には――

祖母がいた。

「あれ……これ、もしかして……」

思い出した。
これは、俺が幼い頃に祖母と一緒に遊んでいた時の光景だ。

ぬいぐるみの目は、まるでカメラのように、過去の映像を記憶していたのだ。

祖母のメッセージ

不思議な気持ちで映像を見つめていると、祖母がぬいぐるみに向かって微笑んだ。

そして、ゆっくりと口を開く。

「この子が大きくなって、悩んだり寂しくなったら、このぬいぐるみが思い出させてくれるよ」

俺は驚いた。

もしかして、これはただのぬいぐるみじゃない?
もしかしたら、祖母が何か特別な願いを込めてくれたのかもしれない。

ぬいぐるみの目が見ていたもの

それからというもの、俺はこのクマのぬいぐるみを大切にしている。

たまに目をじっと見つめると、幼い頃の思い出がぼんやりと浮かんでくる。

ぬいぐるみは、ずっと俺を見ていた。

そして――

俺の大切な思い出を、ずっと記憶してくれていたのかもしれない。



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