怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

和室の天井裏にいるもの 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ

古い一軒家に引っ越した。

家賃は格安だったが、理由があった。

「この和室で、昔誰かが亡くなってるんですよ。」

不動産屋はそう言ったが、俺は気にしなかった。

しかし――

この家の和室の天井には、何かがいる。

第一章:違和感の始まり

引っ越してから数日、妙な違和感を感じるようになった。

特に、夜になると天井から聞こえる音。

ギシ……ギシ……

「ネズミか?」

最初はそう思っていた。

だが、ある夜、布団に入っていると――

天井の一点から、視線を感じた。

第二章:畳のシミと天井の穴

ある日、和室の畳に黒いシミ を見つけた。

触ってみると、ベタついている。

「……インクか?」

不思議に思いながら天井を見上げると、小さな穴が開いている。

まるで、誰かが覗いていたかのような穴だった。

その夜も、天井から音がする。

ギシ……ギシ……

「誰か……いるのか?」

そう思いながら、俺は眠りについた。

だが、深夜――

耳元で、微かな息遣いが聞こえた。

第三章:和室の天井裏

耐えられなくなり、翌日、不動産屋に電話をした。

「あの……この家の天井裏って、何かあります?」

すると、不動産屋は一瞬黙った後、こう言った。

「……やっぱり、気づきましたか。」

「え?」

「この家、昔住んでた人が天井裏に隠れて……そのまま……。」

「……何があったんです?」

「遺体が見つかったんですよ。和室の天井裏で。」

第四章:落ちてきたもの

夜、俺は和室で寝ていた。

ふと目を覚ますと、

天井の穴から、何かが覗いていた。

「……!」

目が合った瞬間、穴が少しずつ広がる。

そして――

何かが、落ちてきた。

結末:和室に残るもの

俺はその日を最後に、その家を出た。

後日、不動産屋に確認すると、

「あの家に住んだ人、みんなすぐに出ていくんですよ。」

俺は最後に、あの天井を見上げた。

そこには――

大きく開いた穴と、黒く染まった畳が残っていた。



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