怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

霊子降臨の儀式 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

投稿日:

大学のオカルト研究会に所属していた頃、先輩の誘いである儀式に参加したことがある。

「霊子降臨の儀って知ってるか?」

そう尋ねてきたのは、卒業間近の先輩だった。

「いや……何ですか、それ?」

「簡単に言えば、霊を呼び降ろして対話する儀式さ。ただ、普通の降霊術とは違うんだよ。」

先輩は楽しそうに笑いながら続けた。

「これは、霊そのものじゃなく、霊の“粒子”を降ろすんだ。」

霊の粒子――つまり「霊子」と呼ばれるものを集め、それを媒介として霊の意識を再構築し、会話するというのが「霊子降臨の儀」らしい。

「面白そうだろ? 今夜、試してみないか?」

その誘いを、断っておけばよかった。

降霊の準備

深夜、大学の部室に集まったのは、先輩と俺を含めた4人。

テーブルの上には、古びた鏡と黒い布が置かれていた。

「これから、“霊子”を集めるぞ。」

先輩が言い、ロウソクを灯した。

「いいか、この世には、未練を残して消えた霊が無数に存在する。その断片が“霊子”だ。」

先輩の指示で、俺たちは鏡を囲んで座った。

そして、特定の呪文を唱え始めた。

「霊子よ、この場に降りたまえ……。」

目を閉じて集中していると、部屋の温度が急に下がった。

そして――

カリ……カリ……。

どこからか、何かを引っ掻くような音が聞こえてきた。

霊子が降りる

「成功だ……!」

先輩が低くつぶやく。

目を開けると、鏡の中が黒いもやで覆われていた。

「見えるか? これが“霊子”だよ。」

黒いもやは、鏡の中でゆっくりと渦を巻いていた。

その時――

「……た……すけ……」

ぼんやりと、誰かの声がした。

「……誰だ?」

先輩が鏡に向かって尋ねる。

すると、黒いもやが人の形を成し始めた。

そこに映っていたのは――

自分とそっくりな顔だった。

霊子に侵される

「な、なんだこれ……?」

俺は思わず椅子を引いた。

鏡の中の“俺”は、不自然な笑みを浮かべていた。

「……変わろう……。」

「え?」

「……交代しよう……。」

次の瞬間、鏡がガタガタと震え、俺の顔をした何かが鏡から飛び出してきた。

儀式の代償

気づいた時、俺は床に倒れていた。

先輩が必死に俺の名前を呼んでいる。

「……おい、大丈夫か!?」

「な、何が……?」

「お前、急に倒れたんだよ!」

俺は起き上がり、部屋を見渡した。

鏡の中には、もう“俺”はいなかった。

しかし――

鏡に近づいた瞬間、背筋が凍った。

鏡に映る自分の顔が、ほんの少しだけ、知らない誰かの顔に見えた。



■おすすめ

マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】




ロリポップ!

ムームーサーバー


新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp



世界の心霊写真 ~カメラがとらえた幽霊たち、その歴史と真偽

新品価格
¥3,080から
(2024/10/17 10:26時点)



ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-, , , , ,

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.