怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

夢を記憶する枕――目覚めるたびに増える奇妙な記録 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

投稿日:

不思議な枕を手に入れた日

俺は、会社員のS。最近仕事のストレスで眠りが浅く、疲れが抜けない日が続いていた。

そんなある日、帰り道の商店街で「特別な快眠枕」と書かれた商品が目に留まった。

店の主人は白髪の年老いた男で、静かに微笑みながら言った。

「この枕は、あなたの眠りをより良いものにしてくれますよ」

胡散臭いと思いつつも、睡眠の質が改善されるならと、試しに購入してみた。

それが、あんな奇妙な体験の始まりになるとは思わずに――。

夢を記憶する枕

その夜、枕を使ってみた。驚くほど寝心地がよく、すぐに眠りに落ちた。

翌朝、俺は不思議な違和感を覚えた。

枕のカバーの端に、何か文字が書かれている。

「夜、橋の上で待っていたのに」

…橋? 何のことだ?

夢の内容を思い出そうとしたが、思い出せない。

その日は気にせず仕事へ行ったが、翌朝、また枕のカバーに違う言葉が現れていた。

「昨日は気づかなかったの?」

怖くなった俺は、枕のカバーを洗ったが、翌朝にはまた違う文字が浮かび上がる。

「もうすぐ、思い出せるよ」

まるで、枕が俺の夢を記録しているようだった。

夢の中の景色

枕に書かれる言葉を気にしつつも、俺は次第に不思議な夢を覚えていることに気づいた。

その夢はいつも同じ場所――古びた橋の上。

そこに俺は立っていて、向こう岸に誰かがいる。

だが、霧がかかっていて顔が見えない。

俺は橋を渡ろうとするが、毎回そこで目が覚める。

そして翌朝、枕にはこう記されていた。

「もうすぐ会えるよ」

目覚めたときの違和感

ある夜、夢の中で俺はついに橋の向こう側へ歩を進めた。

霧の中、立っている人物の輪郭が見え始めた。

「やっと来たね」

その声を聞いた瞬間、俺は目を覚ました。

だが、目覚めた瞬間、違和感を覚えた。

枕の感触が変わっている。

手を伸ばすと、そこには枕ではなく、ひんやりとした石の感触があった。

慌てて飛び起きると、俺は自宅のベッドではなく――

夢で見ていた橋の上にいた。

戻れない朝

焦って周囲を見回すが、霧が濃く何も見えない。

そして、橋の向こうから足音が近づいてくる。

「やっと会えたね」

その声に振り向くと、そこには俺と同じ顔をした男が立っていた。

「お前は……?」

男は微笑みながら、俺の枕を手に取った。

「これ、もう必要ないよな?」

そう言って、男は枕を霧の向こうへ投げ捨てた。

その瞬間、意識が遠のく。

奇妙な店の消失

俺は、自分のベッドで目を覚ました。

「夢……だったのか?」

安心して枕に手を伸ばすが、そこには何もない。

枕が消えていた。

慌てて、あの店を探しに商店街へ向かったが――

あの店は跡形もなく消えていた。

今でも、新しい枕を買って眠るたびに思う。

夢の続きを見たら、次は戻って来られないんじゃないか、と。



■おすすめ

マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】




ロリポップ!

ムームーサーバー


新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp



世界の心霊写真 ~カメラがとらえた幽霊たち、その歴史と真偽

新品価格
¥3,080から
(2024/10/17 10:26時点)



ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-, , , , , ,

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2025 All Rights Reserved Powered by STINGER.