目次
不思議な動物がいる場所
俺は中村翔太、35歳。都内のIT企業に勤める普通のサラリーマンだ。
仕事帰り、いつもの道を歩いていると、ふとした違和感を覚えた。
「こんなところに公園なんてあったか?」
ビル街の一角に、小さな公園が広がっていた。
夕暮れ時の薄暗い空の下、静かな公園のベンチに座っていると、足元に何かが近づいてきた。
見ると、妙に人懐っこい猫だった。
しかし、よく見ると——
瞳の色が左右で違う。しかも、片方の目はまるで人間のように知性を感じる光を宿していた。
「……おい、なんかお前、普通じゃないな」
俺がつぶやくと、その猫はまるで微笑んだように目を細めた。
その瞬間、公園の奥から、他の動物たちが次々と姿を現した。
人間じみた仕草の動物たち
猫だけではなかった。
フクロウ、柴犬、リス、カラス、さらには小さなサルまで。
どの動物も、普通の野生動物とは違う。
まるで俺をじっと観察しているような——そんな視線を感じた。
特に、フクロウが印象的だった。
枝の上から俺を見下ろし、まるで「お前はここにいて大丈夫か?」とでも言いたげな表情をしている。
「……何なんだ、この公園」
俺は急に怖くなった。
気づくと、周囲はすでに夜の帳が下りている。
時計を確認すると、30分ほどしか経っていないはずなのに、3時間も過ぎていた。
慌てて公園を飛び出した。
公園の正体
次の日、会社で同僚にあの公園の話をしてみた。
「え? その場所、ただの駐車場だぞ?」
「いや、俺、昨日そこに公園があるのを見たんだよ」
スマホで地図を確認してみると——
やはりそこは公園など存在しないただの空き地になっていた。
「……嘘だろ」
俺は昨日のことが幻覚だったのかと疑い始めた。
再び公園へ
どうしても気になり、仕事帰りにもう一度その場所へ行ってみることにした。
しかし、昨日とは違い、ただの砂利敷きの駐車場があるだけだった。
「やっぱり幻覚だったのか……?」
だが、その場を去ろうとした瞬間、足元で何かがこつんと転がった。
しゃがんで拾い上げると、それは小さな猫の鈴だった。
鈴を振ると、かすかにシャラン……と音が鳴った。
その瞬間、背筋がぞくりと冷たくなった。
——昨日、公園にいたあの猫の首についていた鈴と、まったく同じ音だった。
「もしかして……あの動物たちは……?」
俺は鈴を握りしめ、もう二度とその場所へは近づかないと誓った。
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