目次
プロローグ
地元の小学校で、ある未解決事件があった。
1994年、児童が忽然と姿を消した 事件。
「K町小学生失踪事件」として当時の新聞にも載ったが、数週間後には報道が一切なくなった。
町の住人も、まるで事件自体なかったかのように語らない。
俺は地元の友人Hと久しぶりに会ったとき、この事件の話を持ち出した。
するとHは、顔を曇らせながら言った。
「……やめとけ。あの事件は、『知ってはいけない』ことになってるんだよ。」
第一章:消えた児童たち
事件が起こったのは1994年6月。
K町の小学校に通う3人の児童 が、下校途中に姿を消した。
彼らはいつも通り一緒に帰宅していたが、家には戻らなかった。
警察の捜査では、途中までの防犯カメラには映っていたが、ある場所を最後に映像が途切れていた。
それは――
小学校裏の「祠(ほこら)」の前。
そこから先、3人の足取りは完全に消えていた。
第二章:祠の噂
この祠は、K町の小学校の裏山にぽつんと建っていた。
地元では「入ってはいけない場所」とされ、昔から祟りがある と言われていた。
「戦時中に村ごと消えた集落の祠らしい。」
Hが小声で教えてくれた。
「昔、この小学校ができる前に、あの辺りに村があったんだけど……ある日、突然消えたって話があるんだ。」
「村が消えた?」
「ああ。誰もいなくなって、ただ家が朽ちるままになってたってさ。」
「その村と失踪事件に何の関係が?」
Hは一瞬躊躇した後、続けた。
「事件のあった年……あの祠、壊されたらしいんだよ。」
第三章:消えた記録
俺は事件の詳細を調べようと、地元の図書館へ向かった。
しかし――
当時の新聞が一切見つからない。
「K町小学生失踪事件」の記事が載っていたはずの新聞の日付だけ、なぜかすっぽりと抜け落ちていた。
図書館の職員に尋ねても、
「その日の新聞は、破損して処分されました。」
と言うばかり。
違和感を覚えつつも、俺は別の方法を試した。
ネットの掲示板や個人ブログを探してみると――
あるブログに、決定的な証言が残されていた。
第四章:消えたはずの児童
そのブログを書いたのは、1994年当時、小学校に通っていた元生徒だった。
彼の記憶では、事件の直前、学校の教師たちが夜中にこっそり祠を壊していた らしい。
その翌日、児童3人が姿を消した。
しかし――
事件発生の一週間後、奇妙なことが起こった。
失踪したはずの3人が、翌日の朝礼に普通に並んでいた というのだ。
教師たちは驚き、すぐに警察を呼んだが――
「何がですか?」
と、3人の児童も、周りの生徒も、事件自体を知らなかった。
児童たちはいつも通り学校に来て、いつも通り帰宅した。
失踪していたという記録は、全て消えていた。
それどころか、地元の住民も事件を一切覚えていない という異常な状態になっていた。
「……ただし、一つだけおかしなことがある。」
ブログの最後には、こう書かれていた。
「あの3人、まるで別人みたいになってたんだ。」
「喋り方も、仕草も、好きなものも全部違う。でも、家族は『いつも通りだ』って言う。」
「俺だけが、違和感を覚えてた。」
「あれ、本当にあの3人だったんだろうか?」
結末:未解決事件の行方
俺はそのブログを書いた人物に連絡を取ろうとしたが――
そのブログは、翌日には削除されていた。
Hにそのことを話すと、彼は深刻な表情になり、ポツリと言った。
「やっぱり、知りすぎると消されるんだよ。」
俺はゾッとした。
「……消される?」
「お前、本当に覚えてるのか?」
Hの声が震えていた。
その瞬間、背筋に冷たいものが走る。
そういえば――
俺は本当に、この事件のことを最初から知っていたのか?
なぜ今まで、こんな不可解な事件を調べようともしなかったのか?
まるで、「何か」に忘れさせられていたかのように――。
K町小学生失踪事件は、本当にあったのか?
それとも、今もどこかで――
消された記憶の中に埋もれているのかもしれない。
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