目次
プロローグ
大学時代の友人・Tから、久しぶりに連絡が来た。
「お前、K町連続失踪事件って知ってるか?」
K町――それは、俺の地元に近い町だった。
「1989年から1991年にかけて、5人が失踪して、今も行方不明のままらしい。」
そう言われ、俺は記憶を探るが、そんな事件は聞いたことがなかった。
「……そんな事件、本当にあったのか?」
Tは一瞬沈黙し、静かに答えた。
「――あったよ。ただな、誰も覚えてないんだ。」
第一章:消された事件
K町連続失踪事件。
1989年から1991年の間に、10代から20代の男女5人が、ある日突然姿を消した。
共通点は、全員が夜に外出したまま戻らなかったこと。
遺留品はなく、目撃証言もない。
警察も捜査を続けたが、何の手がかりも見つからず、事件は未解決のまま打ち切られた。
しかし――
この事件には奇妙な点 があった。
「当時の新聞記事とか、ネットの記事も探したけど、事件の記録がどこにも残ってないんだよ。」
Tは続ける。
「でもな、一つだけ手がかりを見つけたんだ。……昔のビデオテープに、この事件のニュースが録画されてた。」
第二章:ビデオテープの映像
Tの実家には、父親が昔録画していた古いVHSテープ が大量にあった。
その中に、たまたま1990年のニュース番組が録画されていたものがあった。
「何気なく再生してたら、K町連続失踪事件の特集が流れたんだ。」
映像には、当時の警察の捜査状況や、被害者の顔写真が映っていた。
しかし、不思議なことに――
映像の途中でノイズが走り、画面が真っ暗になった。
その後、画面が復帰すると、映っていたのは全く別の内容の番組 になっていた。
「俺、おかしいと思って、何度も巻き戻してみた。でも、同じところで映像が消えるんだよ。」
まるで、その部分だけが意図的に上書きされたかのように――。
第三章:ビデオに残るもの
Tはビデオを確認するため、古いデッキを使って何度も再生した。
すると、あることに気づいた。
「ノイズが走る直前の画面を、スローで再生してみたんだ。」
すると、映像の隅に奇妙な影 が映っていた。
それは、テレビ画面の向こうから、こちらを覗き込んでいる人影だった。
Tはすぐに再生を止め、テープを取り出した。
「……それ以来、妙なことが起き始めたんだよ。」
第四章:見えない監視者
Tはビデオを見た翌日から、奇妙な視線を感じるようになった。
最初は気のせいだと思っていた。
しかし、部屋で一人でいるときでも、背後に誰かがいるような気配がする。
さらに、パソコンでK町連続失踪事件について調べようとすると――
検索結果が、何も表示されなくなった。
それどころか、一度調べたはずのサイトが、翌日には消えていた。
「まるで、誰かが事件の存在を消そうとしてるみたいなんだよ。」
Tの声は震えていた。
結末:消えたビデオテープ
「そのビデオ、まだあるのか?」
俺が聞くと、Tは深いため息をついた。
「……昨日、なくなった。」
「は?」
「ちゃんと棚にしまってたのに、今朝見たらなくなってたんだよ。」
「誰かが持ち出したんじゃないのか?」
「鍵をかけてたんだよ。俺以外、入れるはずがない。」
俺は背筋が寒くなった。
ビデオを見たこと自体、誰かに知られているのではないか?
「なあ、これさ……下手に調べるの、やめたほうがいいかもしれない。」
Tの声は、本気で怯えていた。
俺は深く頷いた。
K町連続失踪事件は、誰かに「消されようとしている」。
そして、俺たちも――その対象になりかけているのかもしれない。
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