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〇〇山で起きた未解決事件
1998年10月、登山者のAさん（当時28歳）が〇〇山で行方不明になった。
〇〇山は、標高1500メートルほどの中級レベルの山で、地元ではよく知られた登山スポットだ。
当時、Aさんは単独で登山をしていた。登山口の駐車場には、彼の車が停められていたが、下山予定日を過ぎても戻らず、捜索が行われた。
しかし、Aさんの姿はどこにもなかった。
遺留品も発見されず、遺体も見つかっていない。
最終的に事件は「未解決」のまま扱われ、Aさんは行方不明として処理された。
普通なら、これで終わりのはずだった。
だが――20年後、この事件は再び注目を浴びることになる。
2020年、山中で奇妙な手記が発見されたのだ。
20年後に発見された手記
2020年9月、登山サークルのメンバーが、〇〇山を縦走していた際に、ある奇妙な手記を見つけた。
手記は、ぼろぼろのノートの切れ端だった。
水に濡れ、ところどころ文字がかすれていたが、はっきり読める部分もあった。
そして、その内容が恐ろしいものだった。
「この山には、もう一つの道がある」
「間違えてその道に入ってしまった」
「誰かが、こちらを見ている」
「戻れない、戻れない、戻れない」
そして、最後のページには――
「もしこれを読んでいるなら、どうか"振り返らないで"」
この手記がAさんのものかどうかは不明だった。
だが、登山サークルのメンバーが警察に届けたところ、驚くべきことが判明した。
この手記に書かれた筆跡は、Aさんのものと一致したのだ。
もう一つの道
手記の中でAさんは、「もう一つの道」に迷い込んだと書いている。
しかし、〇〇山には、正式な登山道は2つしかない。
では、Aさんが言っていた「もう一つの道」とは何なのか？
地元の登山家たちによると、この山には「存在しないはずの道」を見たという証言がいくつかあるという。
「ある地点で、見慣れない分岐が見えたことがある」
「いつものルートなのに、なぜか全然違う風景になっていた」
「引き返そうとしたら、後ろの景色が変わっていた」
こうした話は、以前から地元の登山者たちの間で囁かれていた。
そして、この「もう一つの道」に入った登山者は、ほとんどが行方不明になっている。
Aさんもまた、その道に迷い込んだのだろうか――？
手記を発見した登山者の異変
この手記を発見した登山サークルのメンバーの一人が、後に奇妙な体験をしている。
彼は、発見の翌日から、夢の中で「道に迷う」ようになったという。
「山道を歩いていると、目の前に見たことのない分岐がある」
「その先に、白い服を着た人が立っている」
「そちらに進もうとすると、急に体が重くなって動けなくなる」
そして、目が覚める。
最初は夢だと思っていたが、次第に現実の生活でも違和感を覚えるようになった。
たとえば、登山の帰り道で突然知らない道に出たり、いつもの道順を歩いているはずなのに目的地にたどり着けなかったり――
そしてある日、彼は友人にこう漏らした。
「手記を読んで以来、"あっち側"に引きずられそうになっている気がする」
彼が意味する「あっち側」が何なのかは、誰にもわからない。
だが、その翌日――
彼は、自宅の前で倒れていた。
意識はなく、口元からは泥水のようなものを吐いていたという。
幸い一命は取り留めたが、目覚めた彼はただ一言、こう呟いた。
「あの山には、まだ"あいつ"がいる」
「"あいつ"って誰だ？」と尋ねると、彼はそれ以上何も言わなかった。
そして、しばらくして彼は登山をやめた。
いまだ解明されない未解決事件
Aさんの失踪事件は、いまだに未解決のままだ。
彼の遺体は見つかっていない。
手記が発見された場所は、当時の捜索隊が何度も通ったエリアだったが、そのときには何もなかった。
つまり――
20年後になって突然、手記が現れたということになる。
そして、もう一つ気になることがある。
Aさんの手記の最後の一文。
「もしこれを読んでいるなら、どうか"振り返らないで"」
この言葉の意味は、いまだに誰にもわからない。
だが、もしあなたが〇〇山に登ることがあれば――
決して振り返らないほうがいい。
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