怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

奇妙な病 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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プロローグ:奇妙な体調不良

最初は、ただの風邪だと思っていた。

喉が少し痛み、体がだるい。

しかし、それは日を追うごとに悪化していった。

熱はないのに、常に体が重い。

頭の中がぼんやりとして、まともに会話もできない。

「……これは、何かおかしい。」

そう思った頃には、すでに普通の病気ではないことに気づいていた。

第一章:病院でもわからない病

不安になり、病院へ行った。

血液検査、CT、MRI――あらゆる検査を受けた。

しかし、結果はすべて異常なし。

「特に問題はありませんね。ストレスや疲労かもしれません。」

医者はそう言って、軽い睡眠導入剤を処方した。

だが、俺の体は確実に何かに蝕まれていた。

第二章:体の変化

ある朝、鏡を見ると、自分の顔が少し違って見えた。

肌が妙に青白く、瞳の色もわずかに薄くなっている気がする。

「気のせい……だよな?」

しかし、それは気のせいではなかった。

数日後、同僚にこう言われた。

「お前、なんか顔つき変わったな……。」

そう言われ、ゾッとする。

俺は確実に「変わって」いっている。

第三章:記憶の抜け落ち

それと同時に、奇妙なことが起こり始めた。

「昨日、どこ行ってたんだ?」

同僚の質問に、答えられない。

「……家にいたと思うけど。」

「いや、お前、夜遅くに外歩いてたぞ。」

記憶がない。

俺は一晩の記憶を丸ごと失っていた。

スマホの履歴を確認すると、見覚えのない場所の写真が残されていた。

そこは――

廃病院だった。

第四章:真実の断片

怖くなり、俺は再び病院へ行った。

担当の医師は、俺の顔を見た瞬間、少しだけ表情を曇らせた。

「……あなた、本当に大丈夫ですか?」

「先生、俺の体に何が起こっているんですか?」

医者はしばらく黙っていたが、ふと小声で呟いた。

「あなた、今、本当に"生きて"いますか?」

結末:すでに手遅れ

その言葉を聞いた瞬間、意識が遠のいた。

気がつくと、俺は自分の部屋にいた。

ただ、何かがおかしい。

部屋の空気がまるで別世界のように冷たい。

ベッドの隣の姿見に、俺ではない何かが映っていた。

「……お前、誰だ?」

鏡の中の"俺"は、不気味に微笑んだ。

「お前だよ。いや、"もうすぐ"お前になるんだよ。」

気づくと、俺の肌はさらに青白く、指先の感覚もなくなりつつあった。

これは病気なんかじゃない。

何かに "取り替えられ" ている――。

俺は今、"何か"に変わっていっているのだ。

しかし、もう手遅れだった。



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