目次
ありえない写真
ある日の夜、俺はスマホの写真フォルダを整理していた。
特に自撮りするタイプでもないし、旅行にも行かないから、写真のほとんどは食べ物や風景ばかりだ。
スクロールしながら削除していると、ふと違和感を覚えた。
「……こんな写真、撮った覚えがない」
画面に映っていたのは、俺の部屋の天井を写した写真だった。
ぼんやりと暗い照明の光が映り込んでいるが、特に変わったところはない。
ただ、俺はこんなアングルで写真を撮った記憶がない。
もしかして、スマホを手に持ったまま寝落ちして、誤って撮ったのかもしれない。
そう思い、気にせず削除した。
だが、問題は次の日に起こった。
増えていく写真
仕事から帰宅し、ベッドに横になりながらスマホをいじっていたとき、また写真フォルダを開いてしまった。
そして、ある異変に気づいた。
「……増えてる?」
昨日削除したはずの天井の写真が、また保存されていた。
しかも、枚数が増えている。
全て微妙に角度が違う、部屋の天井の写真。
寝ている間に勝手に撮られたのか?
いや、それにしては不自然すぎる。
そもそも、スマホを手に持ったまま寝た記憶はないし、ロックを解除しなければ撮影はできないはずだ。
怖くなって、すべて削除した。
深夜3時のアラーム
その夜、俺は妙な夢を見た。
真っ暗な部屋で、誰かが俺の枕元に立っている。
ぼんやりとした影が、ゆっくりと俺のスマホを手に取るのが見えた。
そして、カシャというシャッター音が響く――
「うわっ……!」
目を覚ますと、部屋の中は静かだった。
だが、スマホの画面にはアラームの通知が表示されていた。
「03:00 アラーム」
設定した覚えのないアラームだ。
ゾッとしながらスマホを開き、写真フォルダを確認した。
……やはり、増えている。
しかも、今回は俺が寝ている姿が写っていた。
映り込んでいたもの
写真をよく見ると、天井だけではなく、枕元に黒い影が立っているのがはっきりと見えた。
俺の部屋は鍵をかけているし、一人暮らしだ。
誰かが侵入できるはずがない。
動悸が激しくなり、すぐにスマホを投げ出した。
だが、次の瞬間、通知音が鳴った。
「……え?」
画面には、カメラアプリの起動画面が映っていた。
そして――
スマホのカメラが、俺の顔を映していた。
いや、正確には……
俺の後ろに立つ、黒い影を映していた。
それ以降のこと
次の日、俺は急いでスマホを初期化した。
写真も、アプリも、何もかも消した。
だが、今でも時々、夜中にスマホが勝手に光ることがある。
写真フォルダを開く勇気はないが、
もしまた撮った覚えのない写真が増えていたら……
今度は、もっとはっきりとした「何か」が映っているのかもしれない。
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