目次
プロローグ:写真整理の夜
ある週末の夜、俺は久しぶりにパソコンの中の写真フォルダを整理 することにした。
学生時代の思い出、旅行の風景、昔飼っていた猫の写真――。
懐かしさを感じながらフォルダを開き、一枚ずつ見返していく。
しかし、整理を進めているうちに、妙なことに気づいた。
「……この写真、撮った覚えがない。」
フォルダの中に、見知らぬ写真 が紛れていたのだ。
第一章:見覚えのない写真
その写真は、どこかの住宅街の風景だった。
古びたアパートの入り口や、誰もいない公園、赤いポストのある路地――。
だが、どれも俺には見覚えがない。
「こんな場所、行ったことあったか?」
不審に思いながらも、次の写真を開くと、さらに奇妙なことが分かった。
時間帯がバラバラなのに、撮られている場所はほぼ同じだった。
昼間の公園、夕暮れのアパート、真夜中の路地――。
まるで「誰か」がその場所を定期的に撮影していたかのように。
第二章:写真に映る人物
さらに写真をめくると、そこには人が写っていた。
見知らぬ男。
30代くらいだろうか、スーツを着て、駅の改札を通る姿や、カフェの窓際に座る様子が写っている。
しかし、どの写真も男の顔だけがブレていた。
「……これ、誰だ?」
俺はその男に心当たりはなかった。
さらに写真をめくると、男はだんだんと誰かに追われているように見えた。
ある写真では、暗い路地を小走りで進み、またある写真では振り向いているように見える。
そして、最後の一枚を開いた瞬間、背筋が凍った。
その男が、俺のアパートの前に立っている写真だった。
第三章:消えていた記録
「何だよ、これ……。」
俺は慌てて写真のプロパティを開き、撮影日を確認した。
すると、どの写真も「日付不明」となっていた。
カメラの機種も、撮影者の情報も記録されていない。
「おかしい……。」
さらに奇妙なことに気づく。
俺のパソコンには、過去5年間の写真が保存されているはずだった。
だが、気づけばその多くが消えていた。
まるで、誰かが消したかのように――。
第四章:見てはいけない記録
混乱したまま、俺はもう一度写真を見直す。
すると、気づいたことがあった。
最後の写真――俺のアパートの前に立つ男の写真 の背景に、何かが映り込んでいる。
それは、壁の隅にぼんやりと浮かぶ、もう一つの影。
男のすぐ後ろに立つ、黒い影のようなもの。
「……誰か、いる?」
次の瞬間、画面が一瞬ノイズに包まれ、写真が勝手に削除された。
「!!」
何が起きたのか分からない。
しかし、フォルダを確認すると、今まで見ていた写真はすべて消えていた。
まるで最初から存在していなかったかのように――。
結末:知らないはずの記憶
パソコンをシャットダウンし、俺は深く息をついた。
「……なんだったんだ。」
だが、ふとした瞬間、妙な違和感が脳裏をよぎる。
あの男――どこかで見たことがある気がする。
いや、もしかすると――
俺は、この写真のストーリーを本当は知っていたのではないか?
記憶の奥底で封じられていたものを、無意識のうちに消してしまったのではないか?
だが、もしそうなら……
俺は「何を忘れた」のだろう?
それを思い出した瞬間、俺も写真の中の男のように、誰かに追われるのかもしれない――。
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