休日、ふと思い立ってパソコンのストレージ整理をすることにした。
写真フォルダを開くと、学生時代の旅行や、友人との飲み会の写真がずらりと並んでいる。
懐かしさを感じながら整理していると――
見覚えのないフォルダを見つけた。
「……こんなの、作った覚えないぞ?」
フォルダ名は「memory_002」。
開いてみると、そこには大量の写真が保存されていた。
目次
知らない写真
写真を次々に開いていく。
風景写真が多いが、どこか不自然だった。
例えば、ある一枚は人気のない海辺の写真。
しかし、波打ち際にぼんやりとした人影が映っている。
別の一枚は、古びたアパートの外観。
廃墟ではなさそうだが、窓のカーテンがわずかに開いている。
よく見ると――誰かがこちらを見ているような気がした。
「……気のせいか?」
繋がるストーリー
さらに写真を見ていくと、気づいたことがある。
これらの写真には、共通するある人物が写り込んでいた。
どの写真にも、同じ女性がいるのだ。
海辺では、遠くに佇んでいる。
アパートの前では、入り口に立っている。
別の写真では、古い喫茶店の窓際に座っている。
「……この人、誰だ?」
見知らぬ女性。
だが、写真を並べていくと、まるで彼女を中心にした一つの物語が浮かび上がってきた。
女性の足跡
写真の順番を整理すると、彼女がどこかの街に移り住み、生活している様子が見えてきた。
最初は海辺。
次にアパートの前。
そして、喫茶店。
まるで、彼女がこの街に馴染んでいくような流れだった。
しかし――
写真の後半になると、不穏な変化が起こる。
異変の始まり
ある夜の写真。
アパートの廊下がぼんやりとした街灯に照らされている。
その奥に、黒い影のようなものが立っている。
次の写真では、彼女がアパートの部屋の中にいる。
しかし、窓の外――
黒い影が、じっと彼女を見つめていた。
「……ストーカーか?」
さらに写真を見進めると、彼女が喫茶店の窓際に座っている一枚があった。
しかし、その背後の窓――
黒い影が、外から覗いていた。
消えた女性
そして、最後の写真。
それは、彼女の部屋の中だった。
ベッドが乱れ、家具が倒れている。
部屋の片隅には、開いたままのクローゼット。
そして、部屋の中央には――
誰もいなかった。
彼女は消えていた。
写真の出どころ
一連の写真を見終え、俺は茫然とした。
「……これ、一体何なんだ?」
俺は、この女性を知らない。
この街にも行ったことがない。
それなのに、なぜこの写真が俺のパソコンにある?
ふと、フォルダの作成日時を確認すると――
三日前。
「え?」
俺は、三日前に何もしていない。
なのに、なぜ?
さらに調べると、写真の撮影者情報には――
俺の名前が記録されていた。
消えないフォルダ
不気味になり、このフォルダを削除しようとした。
だが、削除できない。
「……なんで?」
いくら試しても、フォルダは消えなかった。
その瞬間――
カメラのシャッター音が鳴った。
驚いてスマホを見ると、新しい写真が一枚増えていた。
そこに写っていたのは――
今、パソコンの画面を見つめる俺の後ろに立つ、“黒い影”だった。
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