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【封印された記憶】思い出した瞬間、取り返しのつかないことが起こる 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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序章:違和感

社会人2年目の 篠原悠真(しのはら・ゆうま) は、ある日 奇妙な déjà vu(デジャヴ) を感じるようになった。

通勤途中の道、会社のエレベーター、コンビニで流れる音楽——どこかで経験した気がする。

「……なんだろう、この感覚」

特に違和感を覚えたのは、ある夜 夢に出てきた“白い部屋” だった。

誰もいない四角い部屋の中央に、小さな椅子が置かれている。

その椅子の上には 黒い箱。

夢の中の悠真は、それを開けようとする。

—— ガシッ!!

その瞬間、背後から誰かに腕をつかまれた。

振り向くと、顔のない“何か”がこちらを見ていた。

「思い出すな……」

低く響く声——その瞬間、目が覚めた。

汗がびっしょりだった。

第一章:忘れていた記憶

「最近、夢の中に白い部屋が出てくるんだけど……」

悠真は、親友の 秋山隼人(あきやま・はやと) に相談した。

すると、隼人の顔色が変わった。

「白い部屋……? それ、覚えてないのか?」

「え?」

隼人は一瞬口をつぐみ、意を決したように言った。

「俺たち、小学生の時に一緒に入っただろ。あの……廃病院の地下室 に。」

悠真の脳内で、何かが弾けるような感覚がした。

「廃病院……?」

そうだ。昔、町外れに 取り壊し予定の病院 があった。

悠真と隼人は 肝試し でその病院に忍び込んだのだ。

だが、なぜか悠真はその記憶を まるごと忘れていた。

「おかしい……全然覚えてない……」

「思い出さなくていい。マジで。」

隼人はそう言ったが、悠真の頭の中には “白い部屋” という言葉が焼きついていた。

そして、その夜—— 記憶の扉が開いてしまった。

第二章:封印されていたもの

再び夢の中で、悠真は “白い部屋” にいた。

だが、今度は記憶が鮮明だった。

——あの時、確かに俺たちはこの部屋に入った。

そして—— 俺は黒い箱を開けた。

中に入っていたのは…… 白い人形だった。

—— 「おかえり」

その瞬間、人形の口が動いた。

—— 「ずっと待ってた」

背筋が凍る。

「やばい……開けちゃいけないものだったんだ!!」

叫んだ瞬間、悠真は目を覚ました。

だが、異変は続いた。

第三章:現実に迫る恐怖

翌日、悠真は 職場のデスクで見慣れないモノ を見つけた。

白い人形。

昨日まで、こんなものはなかった。

「……誰が置いた?」

恐る恐る人形を触ろうとした瞬間——

—— 「おかえり」

スマホの通知音が鳴った。

画面を見ると、送信者不明のメッセージが届いていた。

《ずっと待ってた》

「……っ!!」

悠真は震える手でスマホを投げ捨てた。

すぐに隼人に電話をかけたが、出ない。

その時、スマホのスピーカーから かすれた女の声 が聞こえた。

「思い出しちゃったね……」

—— ガタガタガタガタ!!

ロッカーが激しく揺れ、中から何かが這い出てこようとしていた。

「うわぁぁぁぁ!!」

悠真は逃げ出した。

だが、会社のエレベーターに乗り込んだ瞬間——

エレベーターの鏡に映った自分の後ろに、白い人形が立っていた。

エピローグ:消えた友人

次の日、悠真は隼人の家を訪れた。

しかし、隼人は 行方不明 になっていた。

彼の部屋には、一つの 黒い箱 が置かれていた。

蓋を開けると、中には——

白い人形が一体。

その顔は、隼人にそっくりだった——。



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