目次
俺たちの悪ふざけ
大学の夏休み、俺と友人の石井、村上、翔太の4人は、地元にある廃校に忍び込んだ。
噂によると、この学校では昔、生徒がかくれんぼの最中に行方不明になったらしい。
それ以来、夜になると「ひとり多いかくれんぼ」が始まる、という都市伝説があった。
馬鹿げていると思った俺たちは、深夜2時に肝試しがてらかくれんぼをすることにした。
かくれんぼ開始
ジャンケンの結果、鬼は俺になった。
廊下で目をつぶり、100秒数える。
「……98、99、100!」
目を開けると、廊下は静まり返っていた。
懐中電灯を片手に、俺は手近な教室から探し始めた。
机の下、ロッカーの中——しかし、誰もいない。
「おかしいな……」
廃校はそれほど広くない。
そろそろ誰か見つかってもいいはずなのに。
その時、奇妙なことに気づいた。
廊下の端に、見覚えのない靴が揃えて置かれている。
「……誰のだ?」
気味が悪くなった俺は、他のやつらを探すことにした。
ひとり多い
ようやく、物置の奥で翔太を発見した。
「お前、見つかったぞ!」
だが翔太は、暗闇の中で震えていた。
「……やばい、もうやめよう」
「は? 何言ってんだよ」
「誰か……知らないやつがいる」
心臓が跳ね上がる。
「何言ってんだよ、4人しかいないだろ?」
翔太は青ざめた顔で言った。
「俺、村上と同じ部屋に隠れてたんだけど……途中でもうひとり入ってきた。」
「……は?」
翔太は震える声で続けた。
「そいつ、顔が真っ黒で、笑ってたんだよ」
その瞬間——
カツ、カツ、カツ……
廊下の奥から、誰かの足音が近づいてきた。
翔太と俺は息をのんだ。
足音はゆっくり、確実にこっちへ向かってくる。
そして——教室のドアの前で止まった。
俺たちは息を殺した。
すると——
「みーつけた」
ドアの外から、不気味な声が聞こえた。
見つかったら終わり
もう我慢できず、俺と翔太は全力で逃げ出した。
だが、廊下を走っている最中、目の端に見えてしまった。
奥の教室の窓の外、暗闇に浮かぶ"何か"がこっちを覗いているのを。
俺たちは叫びながら外に飛び出し、そのまま車に乗り込んだ。
エンジンをかけ、全速力でその場を離れた。
それ以来、あの廃校には近づいていない。
後日、村上と石井にも話を聞いたが、2人とも「途中で気配を感じて逃げた」と言っていた。
そして——俺たち全員、最後に見たものが同じだった。
暗闇の中で、笑いながら隠れている"何か"を。
かくれんぼは、まだ終わっていなかったのかもしれない。
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